白鳥沢に編入してからというもの一気に友達ができた。特にバレー部。
青葉城西にいたときと同じで性同一性障害のことなんて勿論言えてない。
でも、楽しかった。楓夏さんみたいなことしてくる人は勿論いないしそれにバレーをすることができた。
ここには敵がいないと思えたから。
今まで感じたことないほどに幸せだった。
先輩方はとても優しい。タメ口を許すほど。
みんな音のことを信頼してくれて
頼ってくれて
ありがとうを言ってくれて
褒めてくれて
時々変なこと言ってくるけど
兄貴も若利も仲良くなったし。
白鳥沢に来て良かったと思う。
兄貴は白布と代わりセッターとなり白布は二人目のリベロになった。
新白鳥沢になってから初めての試合。そう
春高バレー宮城予選
兄貴と音にとってはとても大切な試合。
編入してから初めて青葉城西バレー部の部員に会うこの試合。あいつらを見返さなくてはならない。
どんな目を向けられるのか。どんなことを言われるのか。どんなことをされるのか。
怖くないと言えば嘘になる。でも、音にはずっと兄貴がいて今は白鳥沢がいる。
こうして始まった試合。前年優勝の白鳥沢はなんなく準優勝まで進んだ。
(少し変えます!!)
準決勝の相手は飛べない烏と呼ばれていた烏野。
でも、もう誰も飛べない烏なんて言わない。
なぜなら変人コンビがいるから。
それでも白鳥沢からしたらまだまだ雛の小さな烏。
兄貴を加えた白鳥沢には遠く及ばない。
確かに昔テレビで見た小さな巨人のようだった。
オレンジ髪の小さな烏が打ったボールは
天童に阻まれた。
ピピーー
準決勝
白鳥沢vs烏野
1セット 25 14
2セット 25 16
白鳥沢の圧勝。
互いに熱い握手を交わし準決勝は終わった。
そして決勝戦。反対側の準決勝は白熱したようで勝利したチームは盛り上がっていた。
決勝戦
白鳥沢vs青葉城西
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。