in体育館
ドン!!
in水道
倒れている楓夏の手足に付いた赤い切り傷と青い痣。
切り裂かれたジャージに散乱した水筒とタオル。
そして、音の手にある血がべっとりとついた包丁。
全てがこの事件の真相を物語っていた。
誰がみても分かる
及川音凪が犯人だと
実の兄ですらも疑ってしまうこの状況下で音は思った。人間関係はこれほどまでに脆いものだったのかと。
兄貴の質問に何も答えれなかった。答えなかった。
だって何言っても聞いてくれないことくらいもう既に知っている。経験してる。
そして、もうここに居られなくなるという事も
その時音の中で何かがちぎれた。
何を言っても聞いてもらえないことは分かってるけどなにか言ってないと涙腺崩壊して心が壊れそうだった。
これも
これも
これも
これも
これも
これだって自己防衛のための言葉
兄貴もどうせ信じてくれない。一ですら信じてくれなかったんだから。
あのときもそうだった。1番信頼してた人ですら僕から離れていった。
期待なんてしてない。
…期待してなくても実の兄に見放されるほど辛いものはないよね
でも、仕方がない。もうどうしようもない。
肯定するしか無い。
そう思って体育館を出ようと踵を返した時だった。
想定外のことだった
そう言って差し出された手に戸惑った
その頃の及川兄弟(兄妹
その後兄貴はさっきあったことを全て話した
その後転校手続きを行い、音と兄貴は白鳥沢の生徒となった。
そして音はユースの誘いを受け兄貴は若利が推薦してくれたためユースに選ばれた。元々ユースの監督も目をつけてたらしい。
音達は白鳥沢がある地域に引っ越しをしたため青葉城西バレー部に会うことはなかった
春高バレー宮城予選の日までは
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。