第6話

地獄
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2024/04/01 06:50
in体育館
及川徹
みんなー!水分補給して良いよ!!

ねぇねぇ岩ちゃーん楓夏と音遅くなーい?及川さんしんぱーい
岩泉一
はぁうるせぇな…要が教えながらやってんだから遅くなるのが普通だろ。
及川徹
たしかにそうだけど…
花巻貴大
及川ー前から思ってたけどお前シスコンだな
松川一静
たしかにー
岩泉一
こいつ小さいときに音とのツーショットの写真ずっと持ってるぞ
花巻貴大
まじかよ
国見英
可愛いのは分かりますけど流石に気持ち悪いです
及川徹
ちょっと?!聞こえてるからね?及川さん傷付いたよ?
国見英
勝手に傷付いててください
岩泉一
シスコンクソ野郎だな
及川徹
ちょっと岩ちゃん?!
ドン!!
花巻貴大
?!何の音だ!!
松川一静
2人がいる方から聞こえたぞ?!
岩泉一
?!何の音だ
及川徹
ふ、2人がいるんでしょ?!早く行くよ!
岩泉一
お、おう!!
in水道
花巻貴大
な、なんだよこれ?!
松川一静
だ、大丈夫か??楓夏
楓夏
ハァハァみん、なぁハァい、痛い(泣)たすけ、て
倒れている楓夏の手足に付いた赤い切り傷と青い痣。

切り裂かれたジャージに散乱した水筒とタオル。

そして、音の手にある血がべっとりとついた包丁。

全てがこの事件の真相を物語っていた。

誰がみても分かる
岩泉一
音…お前💢
及川音凪が犯人だと
及川徹
う、そ…音がやったの?
実の兄ですらも疑ってしまうこの状況下で音は思った。人間関係はこれほどまでに脆いものだったのかと。
兄貴の質問に何も答えれなかった。答えなかった。
だって何言っても聞いてくれないことくらいもう既に知っている。経験してる。
そして、もうここに居られなくなるという事も



その時音の中で何かがちぎれた。
松川一静
…やっていいことと悪い事の区別ができねぇのか??
及川音凪(おとな)
やってない
何を言っても聞いてもらえないことは分かってるけどなにか言ってないと涙腺崩壊して心が壊れそうだった。
岩泉一
音がこんなやつだなんて…今まで一緒に居たことが恥だよ
及川音凪(おとな)
それは音のセリフ
これも
花巻貴大
ひでぇなお前
及川音凪(おとな)
それも音のセリフ
これも
国見英
見損なったんだけど…先輩取り敢えず楓夏さん運びません?
及川音凪(おとな)
勝手に見損なっててよ。態度が急激に変わるとか気持ちわるいよ
これも
岩泉一
そうだな。頼んでもいいか?
国見英
はい。楓夏さん行きましょう
楓夏
う、ん…
金田一勇太郎
あの…今更ですけどみなさんは楓夏さんを信じるんですよね。
及川音凪(おとな)
なんでわざわざ聞くかな…こんなにもわかりきったことを
これも
岩泉一
当たり前だ。この傷が1番の証拠だろ?
及川音凪(おとな)
その傷は自分で作ってたよ。音の目の前で
これも
松川一静
だな
花巻貴大
うん。てか、楓夏のこといじめたんだったら退部でしょ。早く出てったら
及川音凪(おとな)
チッ
これだって自己防衛のための言葉
岩泉一
たしかに…そうだな退部だ
松川一静
俺もそう思う。及川はどうなんだ?
兄貴もどうせ信じてくれない。一ですら信じてくれなかったんだから。
あのときもそうだった。1番信頼してた人ですら僕から離れていった。
期待なんてしてない。
及川徹
俺は…楓夏が嘘をついてるとは思えない
…期待してなくても実の兄に見放されるほど辛いものはないよね
岩泉一
なら退部決定だな。明日には退部届け出せよ。いいな?
でも、仕方がない。もうどうしようもない。
及川音凪(おとな)
うん。
肯定するしか無い。

そう思って体育館を出ようと踵を返した時だった。
及川徹
でも!!音がこんなことをするとも思えない…
岩泉一
は?何いってんだ
想定外のことだった
及川徹
岩ちゃん!何年一緒にいたの?音はそんなことするような子に見える?それに中学校のときのこと…知ってるでしょ?!なんで裏切れるの!!
岩泉一
ッでも!要が嘘をついてるとは思えないだろ?
及川徹
もう良いよ。音が退部なら俺も辞める。音…行こ?
そう言って差し出された手に戸惑った
及川徹
音…?
及川音凪(おとな)
なんで、なんで…信じてくれるの?
及川徹
…俺の兄弟だからでしょ?
及川音凪(おとな)
?!…ありがとう
及川徹
うん。行こっか。
及川音凪(おとな)
うん
岩泉一
チッ
花巻貴大
気にすんな岩泉。
松川一静
あいつらが間違ってんだよ。お前は合ってる正しい
岩泉一
あぁ
国見英
岩泉さん!!ハァハァハァ
岩泉一
?!国見!要は大丈夫なのか
国見英
今救急車で運ばれました!生命に関わるような怪我ではないらしいですけど早く行ってあげてください!
岩泉一
分かった。お前ら行くぞ
国見英
そう言えば及川さんは、?
岩泉一
花巻貴大
あいつは辞めたよ。バレー部。
国見英
え?
松川一静
妹を信じたよ。俺の兄弟だからって。
国見英
そうですか…
その頃の及川兄弟(兄妹
及川徹
これからどうしよっか
及川音凪(おとな)
ごめんね…音のせいで
及川徹
謝らないで?音のせいじゃないから。
及川音凪(おとな)
うん。
若利
こんなところで何してる及川と音
及川徹
牛若ぁ?!
及川音凪(おとな)
えっ若利、?
及川徹
わ、若利??どういう関係なの?!
若利
?学校の先輩だ。音はユースに呼ばれるほどの逸材だったから良く話したんだ。
及川徹
あ、なるほど
若利
ところで今年も断ったのか?
及川音凪(おとな)
…まだ
及川徹
ねぇちょっと!!勝手に話進めないで?
若利
すまない。久しぶりに会ったからつい
及川徹
…で、なんで話しかけてきたの?
若利
特に理由はない。ただ、部活動中の時間になんでいるのかと思ってな
及川音凪(おとな)
及川徹
…辞めたよバレー
若利
?!
その後兄貴はさっきあったことを全て話した
若利
そうだったのか…。
若利
それなら…こっちに来ればいい
及川徹
は?
及川音凪(おとな)
こっち…?
若利
白鳥沢に来い。お前らが来れば全国制覇も夢じゃなくなる。それに…音は勿論及川もユースに呼ばれるようになるはずだ。
及川音凪(おとな)
えっ
及川徹
ユ、ユース…
若利
あぁ。それとももう諦めたのか?バレーボールを
及川徹
っそれは…
若利
なら来ればいい
及川音凪(おとな)
兄貴…行こうよ。
及川徹
でも…音は
若利
心配するな。音は今既にユースに呼ばれている。つまり男子のマネージャーをしていても呼ばれるんだ。女子の方に行く必要はない
及川音凪(おとな)
!!兄貴…若利…
及川徹
音…良いの?もしかしたら校内で会うかもしれない
及川音凪(おとな)
心配しないで音も強くなったんだから
及川徹
だね
若利
…改めて言うぞ。白鳥沢に来い
及川徹
勿論。青葉城西を倒すんだから
及川音凪(おとな)
うん!
その後転校手続きを行い、音と兄貴は白鳥沢の生徒となった。
そして音はユースの誘いを受け兄貴は若利が推薦してくれたためユースに選ばれた。元々ユースの監督も目をつけてたらしい。
及川音凪(おとな)
良かったね兄貴
及川徹
うん!これでバレーボールが続けれる…良かった
音達は白鳥沢がある地域に引っ越しをしたため青葉城西バレー部に会うことはなかった









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