あなたside
『なんで何の連絡もねーんだよ!めっちゃ心配したんだぞ!?』
電話に出るとすぐに、鼓膜が破れそうな程大声を上げる兄。
「…ごめんなさい、今度からはちゃんと連絡するね」
『うん、そうして。じゃあもう切るね』
手短に終わらせてくれたのもきっと兄なりの優しさだ。
「ごめん、お待たせ〜」
2人であーだこーだ言いながら材料を用意して、フレンチトーストを作る。
「え、めっちゃいい匂いしない?」
「え、するする。さっくんほんとに料理上手くなったね!」
小さなテーブルを挟んでフレンチトーストを頬張る。
「美味しいね、さっくん!」
「うん、美味しい…ね」
突然、さっくんがポロポロと泣き出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。