第9話:笑顔
夏油 傑 side
その悟の問は 、 あなたが呪術界に入るのかって
聞いているのと≒だった
それを
当たり前に論点を外して答えるあなたに 、 ほんの少し
安心している私が居た
思った答えが返ってこず 、 痺れを切らしたのか
悟は声色を変え 、 あなたの目を見て口を開く
それでも悟の言葉を理解できないあなたに
硝子が詳しく説明しようと
口を挟むが 、
私は首を横に振り名前を呼んで続く言葉を遮った
そんな私の行動に硝子は察したのか口を閉じた
それとは裏腹に 、 悟は私の行動に
顔に疑問を浮かべた
これ以上 、 悟があなたに呪術の話をして
あなたが不審に思うのを防ぐため話題をかえた
それには当然 、 悟は否定的な態度をとっていた
あまりの悟の必死さに気が引けたのか
あなたが気を遣ってサポートを入れた
なんて心の中で思っていも 、 それがあなたに
伝わることもなく 、 伝えることもしなかった
会話の流れ的に拒否されるのかと不安そうに
私たちに連絡先交換を求めるあなたは 、 出会って
数時間にも関わらず 、 〝 流石 〟だと思った
あなたが発した言葉により 、 さっきまでの
怪訝な空気はどこかに流れ
別れる前の連絡先交換会が行われていた
私だけが連絡先を交換していないことを
不自然に思ったのか名指しで聞いてくるあなたに
私は必死に頭を回した
あなたを呪術界から遠ざけるのなら
私と連絡先を交換しない方が良い
あなたは私たちとは違い 、 1週間後には
普通の女子高生として輝いている生活を送るんだ
そんな生活を私が見つけてしまったせいで
あなたから奪ってしまうことになる
あいにく 、 私はあなたを堕とす覚悟を
持ち合わせていない
だが 、
連絡先を交換せず 、 その笑顔と二度と
出会えなくなる方が 、 私は相当恐ろしく感じる
ファミレスを出て 、 私たちが東京に向かうため
駅に行くことをあなたに伝えると 、
「 駅まで送るで? 」
と 面倒なことを自身から言い出してくれ 、
その上 礼を述べるとこの言い様…
やっぱり彼女を呪術界に連れて行かなくて正解だ
それぞれがあなたと話して最後は私の番 。
私からあなたに言うことはただ1つ
まだ呪術界を知らないあなたに笑顔を見せてから
私たちはファミレスから1番近い二上駅の改札を通り
新大阪駅へと向かった
あなた の あ の 笑 顔 が
い つ ま で 続 く の か を 考 え な が ら
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。