No side.
朝の教室。
始業前の賑やかな空気の中、1人の生徒が
静かに教室の扉を開けた。
がちゃ、
教室の中央では、すでに楽しそうな笑い声が
響いている。
翔は自分の席へ向かおうと歩き出す。
その時だった。
どんっ
誰かと肩がぶつかる。
すぐ隣から呆れたような声が飛んできた。
てるとは翔へ向き直り、申し訳なさそうに
笑う。
初対面とは思えない距離感に、翔は少し
戸惑う。
ガラララ…
教室の扉が再び開く。
さっきまで賑やかだった空気が、
ほんの少しだけ落ち着いた。
無言のまま入ってきた男子生徒へ、ばぁうが
気軽に声をかける。
そう言っててるとはまるで自分のことの
ように嬉しそうに笑う。
胸の奥が少しだけ温かくなる。
転校してきてから一年。
誰とでも仲良くはしていた。
けれど、こうして自然と輪の中へ
引っ張ってくれる存在は初めてだった。
(いや別に翔くんが陰キャな訳ではなくて
みんなに分け隔てなく優しいから誰かと
めちゃくちゃつるむって訳じゃなかったん
だよって言いたくて うんぬんかんぬん)
四人は教室を出て、更衣室へ向かう。
朝の廊下には、生徒たちの話し声が
響いていた。
気づけば自然と笑っていた。
ぎゅーっっ
突然抱きつかれ、翔は固まる。
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更衣室へ向かう途中。
四人の会話は途切れることなく続いていた。
(目線だけの会話)
ザザ……ザ、
不意に。
耳の奥でノイズが走った。
誰にも聞こえていない。
聞こえたのは翔だけだった。
だが、その違和感を口にすることはなかった。
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どこかも分からない暗い空間。
静寂だけが支配するその場所で──
トランプが1枚、ひらりと落ちる。
暗闇の中に浮かぶモニター。
そこには、翔を中心とした4人の姿が
映し出されていた。
その声だけが静かに響く。
──To Be Continued.
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。