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第11話

仲間
28
2024/03/06 08:25
アレクシア
……グレーテルの言っていた通りなら、そこの部屋が台所だ
エリーゼ
よし、窓から忍び込むよー
ニーナ
チッ……クソ……
アレクシア
3人で殺りに行く、って言ったのはニーナだろ
ニーナ
確かにそうは言ったけど、
どうして普段から手伝わされるんだよ……!
エリーゼ
ニーナも仲間だもんー!
ニーナ
クソ、勝手に仲間にしてくんな!






……時は少し遡る。

あの日、ニーナがアレクシアやグレーテルに会った日。
アレクシア
『よし、ニーナ、お前も仲間だ』
ニーナ
『仲間……って、え?』
グレーテル
『あら、仲間になってくれるの?
 嬉しい、やったー!』
エリーゼ
『ん、じゃあピストルの扱い教えるねー!』
ニーナ
『え、ちょ……』
アレクシア
『ニーナ、分かってるよな?』
あのとき、その場にいた3人……いや、エリーゼを除く2人の殺気に押され、断ることができなかった。
グレーテル
『この場にはいないけれどね、
 この組織には20人以上の人が所属してるの!』
アレクシア
『ほとんどが幽霊部員みたいなもんだけどな』
ニーナ
『部員……ここは部活かよ!?』
エリーゼ
『部活みたいなものでしょー?』
ニーナ
『……はぁぁぁぁあああああ!?』
グレーテル
『みんなと仲良くしてね、ニーナちゃん!』
ニーナ
『クソがぁっ……!』






あのとき、断り切れれば……
ニーナ
(こんなことにはなってねぇんだよ!!!!!)
ニーナ
どうしてくれるんだ過去の自分……
エリーゼ
ニーナ、早くー!
ニーナ
チッ……
アレクシアとエリーゼは既に建物の中だ。

ニーナも窓から中に……侵入する。
エリーゼ
何するんだっけ?
アレクシア
砂糖と塩の入ってる容器の位置を入れ替える、
水切りかごに入った乾いた皿に水をかける、とかか?
ニーナ
え、決めてなかったっけ?
アレクシア
決めてない
ニーナ
おい
エリーゼ
まあまあ……
ここはもう、調味料に毒を混ぜればいいんじゃないー?
アレクシア
法に触れるぞ
ニーナ
不法侵入だからもう触れてるんじゃない?
アレクシア
いやこれは許可取ってるから
ニーナ
はぁ?
エリーゼ
まあまあ、毒って言ってもマスターのクッキーだし!
アレクシア
じゃあいいか
ニーナ
いいのかよ!?
アレクシア
マスターに料理を教えた諸悪の根源……
許すまじ……
エリーゼ
うん!
ニーナ
はぁぁぁぁぁぁ……
エリーゼ
よし、この壺にマスターのクッキーを入れればいいよね!
アレクシア
先に砕く方がいいんじゃないか?
そんなこんなで任務……と言うよりかはただの嫌がらせは終わった。






帰り道、空を見上げる。
ニーナ
クソ……最近なんでこんなに疲れることばかり……!?
エリーゼ
……私にできること、ある?
ニーナ
……は?
エリーゼ
疲れてるって、さっき言ってたもん
ニーナ
エリーゼ……
そこで、エリーゼはにこりと笑った。
エリーゼ
仲間なんだから当たり前でしょー?
いや違う。

そうじゃない。

そういうことじゃない。
ニーナ
それは……本気で言ってんの?
エリーゼ
うん、疲れる原因を一緒になくしてあげるよ!
原因ってそれは……1つしかない。

その1つが何かなんて、もう一目瞭然だろう。

それを本気でエリーゼは……!
エリーゼ
……ニーナ、最高の暗殺者集団になれるように一緒に頑張ろうねー!
ニーナ
——ふっざけんなぁぁぁあああああ!!!!!
ニーナは、渾身の力を込めてエリーゼに一撃を放った。






【終】
作者
これにて「友人は暗殺者だったようです」は完結です!
作者
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
作者
今後とも作者のりりを宜しくお願い致します!

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