西畑side
あれからというものもちろん寝れるわけがなく
朝を迎えてしまった。
でも大切なライブの打ち合わせがあったから
直行で楽屋に着いた。
流星の後ろからバックハグするとふわっと
甘い香りがしてすごく気分が落ち着く。
目線を手にやると手の甲にあざみたいなのが
出来ていた。
許可を得て「綺麗な手やな〜」とかほざきながらも
あざのようなものを擦ってみるが落ちない。
と、いうことは…
言いかけた時、メンバーが元気に入ってきた。
……うん。元気なのはええけど、タイミング
なんよな
少しふざけながらもずっと考えてた。
あれ、流れ星くんと同じ位置にキスマがあった。
流れ星と流星…名前めっちゃ似とるんよ。
もしかしたら流星って…
そう丈くんに言ってるかと思ったけど視線は
何故か流星の方へ向いていた。
何か関係あるんかな…
みっちーと流星は仲良いけど、みっちーが
楽屋入りした瞬間流星と話すのはそうそうない。
ちょっと気になって近づきはしないけど意識
をみっちー達に傾ける。
「打ち合わせしまーす」
あとちょっとのところでマネが入ってきた。
本当いいところで終わるな…
打ち合わせをしている時、流星のキスマと
みっちーの会話が気になりすぎて集中できない。
どこまで話してるのか焦って資料を
めくっていると
隣で流星が俺用の資料を手に取り、
話し合っているページまでめくってくれた。
流星から受け取ろうとした時、勢いよく取って
しまったのが原因なのか流星の手が
紙で切って怪我をしてしまった。
心の中で謝りながらも打ち合わせを続行した。
一旦休憩することになり、自由となった瞬間
俺は流星に感謝と謝罪をした。
そう言うと、素直に手を出してくれる流星。
いつも持ち歩いている絆創膏を流星の少し血が
滲んでいるところに貼る。
その後の打ち合わせもミスすることもなく、
この日の仕事は終わった。
今日は流れ星くん配信してくれるかな…と
心の中でウキウキしながら家に帰った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!