第4話

1 . だって知っている
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2025/09/15 02:09 更新



莉犬
んぅぅ……………、!!!
椅子に座ったまま背もたれに全体重をあずけ、ぐっと手を上に上げて背伸びをする。


そして、ついさっきまで放送をしていたパソコンの電源を落とした。
 

ここはヒカリエ最上階、STPRオフィスだ。


放送前にも事務所で色々と仕事をしていて、放送の後に結構大事な会議があったので、事務所のパソコン達を借りて放送をしていたのである。
莉犬
(会議まであと30分くらいあるなぁ……)
莉犬
(それまでメンバーと絡んだりでもしとこっかなぁ???)
時計をぼーっと見つめながら、これからどうするかを考える。


まぁ皆いなくても、エゴサとかでもしとこー。


そう思って椅子からゆっくりと立ち上がり、座っていた椅子を元の場所へともどした。
































事務所の大きなぬいぐるみがある赤色の席にちょこんと座り、スマホを弄る。


スマホの中にはさっきの放送の感想などがいっぱいあって、何度も何度もスクロールして感想を読む。


にこにこと思わず笑いながら文字を読む。
莉犬
(お姉ちゃんの事の感想、多いなぁ。)
『お姉さんめっちゃ気になる!』『動画とかに出てみてほしいなぁ』などという声がたくさんある。


その理由はもちろん、俺が放送でお姉ちゃんの話題を出したからで。


自慢の姉を、大好きなリスナーさんが興味を持ってくれている事がただただ嬉しかった。
莉犬
(まぁでも、ちょっと語りすぎたかな…)
皆がお姉ちゃんに興味を持ってくれて、ついつい自慢のお姉ちゃんについて熱く語ってしまった部分があるし、ちゃんと自分で自覚している。


でも仕方ないじゃないか、だってあんなにも優しくて素敵で大好きなお姉ちゃんなんだから。


うんうんうん、仕方ないよね!と自分に言い聞かせながらもスクロールをする。


すると、『莉犬ー!!』という声が聞こえて顔を上げた。
莉犬
あっ、るぅとくーん!!!
るぅと
放送お疲れ様ー!!
莉犬
ありがとぉー!!!
お疲れ様と言ってくれたるぅとくんに、俺はパッと笑顔を咲かせてお礼をする。
莉犬
るぅとくんも楽曲関係でなんか色々とあったんでしょー?
莉犬
お疲れ様ー!!
るぅと
ありがとー!!
るぅと
そーなの、打ち合わせとか色々とさっき終わったところー!!
るぅと
放送もちょっとだけ見たよ
るぅと
最後の『おつりーぬ!』の所だけ(
莉犬
それ1番最後じゃんw
『ほぼ見てないのと一緒だなぁ!?w』とか言って二人で笑い合う。


すると『るぅとくーん!!!』という声が聞こえて振り返ると、そこにはちぐちゃんが。
莉犬
ちぐちゃーん!
ちぐさ
あっ、莉犬きゅーん!!!
駆け寄ってきて『ぎゅーっ!!!』と抱きしめて来たので、俺もぎゅーっと抱きしめ返す。
ちぐさ
放送見ましたよー!!!相変わらず可愛かったですし最高でしたっ!!
莉犬
スパチャしてくれてたもんねw
莉犬
ありがとねちぐちゃん!
ちぐさ
いえいえどーいましましてー!!
ちぐさ
るぅとくんもお疲れ様です!!!
るぅと
ありがとねちぐさくん
ぴこぴこと働く犬耳とブンブンと振る尻尾の幻覚が見えるほどに上機嫌だ。


可愛いなぁ、と思ってにこにこと笑いながらちぐちゃんの頭を撫でる。


それからそれから20分程がすぎ、STPRメンバーが集まっていき、


すとぷり、AMPTAKxCOLORS、KnightX-騎士X-、メテオラ、すにすての皆が珍しく遅刻することなく全員揃う。
あっきぃ
全員揃うの珍しいっすね!!!!
ころん
うるせぇぞあきらー(((
あっきぃ
えぇぇぇ師匠ぉぉぉ!!!!!!
うん、あっきぃは相変わらずうるさいね!(※褒めてる)
心音
あっきぃ、ころんくんが困ってるだろうがよ!!!
あっきぃ
はぁ!?心音には行ってねえし!!!
まぜ太
まーた始まったよ
喧嘩するあきしおを、ケラケラと笑いながら愉快そうに見るまぜち。


…………………………やっぱまぜち怖い(((


まぁそんなこんなで、わちゃわちゃとしながらも時間が過ぎ、そろそろ会議……という時。


ぶーっとスマホが震え、疑問に思いながらもスマホを見る。
莉犬
"すぐ向かうわ" ……???
それは、姉からのメールだった。


嫌な予感がモヤッ、っと胸の中を駆け巡る。
莉犬
(なんだろう、なんだか……………………)
なんだか________




ジェル
……莉犬?
胸に手を当てて黙り込んでいた俺に、ジェルくんが不思議そうに声をかけた。


流石ジェルくんだ。周りが良く見えている。
莉犬
、え???
ジェル
黙り込んでどしたん??
莉犬
あっ、ううん、なんでもないっ!!
莉犬
ただ考え事してて………………
すると事務所の外…………ドアの向こう側から、バンッ!!!という大きな銃声が鳴り響いた。


それと同時に、キャーッ!!!という悲鳴が響き渡り、全員が一斉にして、音の方を見つめた。
ちぐさ
ひぇ……っっ
ジェル
なっ、なんや!?
莉犬
……ッ!?!?
まさか………………。
莉犬
ッッ、こっち!!!!
俺はそう言って、ジェルくんやちぐちゃん、ぷりちゃん、あっきぃなど、そこら辺にいた人達の手をとりあえず強引に引いて、障害物となる物の後ろに隠れる。


入り切らない子達には『そこ!!!』と指を刺して言うと、冷静ななーくんが対処してくれた。


流石なーくんだ。
動くな!!!!!!!!
それからたった二秒ほど後、銃声を放った本人であろう聞き馴染みのない男の声が部屋に響いた。


隠れきれなかったスタッフさんが頭を抱えてしゃがみこみ動かない様子が見えた。


混乱してとりあえず声を出さないようにと口に手を当てる皆の中で、1人冷静になろうと考える。
莉犬
(えっとえっと、こういう時は〜、……何か障害物の後ろに隠れる。)
莉犬
(それから反感を買わないようにして…なるべく時間を稼ぐ……だっけ!?)
いつか教えてもらったことをなんとか頭の中から引っ張り出そうと、うーんうーんと頭をひねる。


そして、たまたま目が合った涙目で震えるちぐちゃんの頭を、いつか自分がそうしてもらったように優しく撫でた。
莉犬
(ていうか、お姉ちゃんのあれって……)
出てこいお前ら!!!!!





すとぷりのヤツらはいないのか!!!!!!





すとぷり。その言葉に皆がピクりと反応した。


…………………………なるほど、俺らが目的……


えっと、言うことにはちゃんと従わないと、スタッフさんたちが殺されかねないよねぇ…………。


1つゆっくりと深呼吸をして、立ち上がる。
ぷりっつ
はっ、ちょっ………………ッ
るぅと
ッッッ、バカ……ッッ!
出てこようとしてきた皆に手のひらを向けて制止を促し、安心させるため、にこりと余裕の笑みを浮かべた。


そして男の前へと出てくる。


なーくんの困惑と慌てた様子と、出てこようとするのを必死で止めるさところが見える。


男は俺の姿を確認すると、銃口をこちらへと向けた


撃たれたら、俺はきっと死ぬだろう。


死ななくたって重傷は負うはずだ。


………………けど別に、全く怖くなかった。


だって____
















































バンッ!!!!!















































































銃声が鳴り響いた。


コツ、コツ……と、銃声の後、静寂に包まれたこの部屋を堂々と歩く足音が、ひとつ。









あなた
私の弟を殺そうとするなど…………

あなた
相当頭が悪いようね。くたばりなさい





____助けに来てくれると、知っていたから。



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