第2話

及川との出会い
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2018/07/04 10:37
ダムダム。ボールのつく音。キュキュキュ。バッシュが体育館に擦れる音。この音は私の好きな音。けど1番好きなのは……ザッ。こうやってシュートが入った時の音。
女子生徒達
キャー!!かっこいいー!!
……この声はどうでもいいけど。シュートを決めた私の元に、
先輩
やっぱやるねー○○は。
と言って、私のところに来てくれる先輩。
あなた
あなた
……ありがとうございます。大したことないですけど。
先輩
ちょっとー?今の3Pなんだから、そんなこと言うと嫌味に聞こえるからやめてよねー。
あなた
あなた
……分かりました。じゃあ、難しかったです。
先輩
うわー、これも嫌だわ。
と、先輩と話していれば、人が集まってくる。先輩、同級生、後輩の子達が口々に、「凄かったです!」とか「流石うちのエース兼キャプテン。」とか「やっぱ好き(?)」と言うことを言ってくる。「次のメニューにいこう」と言おうとした時。足に何か当たった。それに気付き、そちらを見てみればバレーボールが。なんでバレーボール?と拾って首を傾げた時。
及川徹
及川徹
ごめーん!そっち行ったかな?
そう言いながら駆け寄ってくるその人。この人確か……バレー部のキャプテンの。確か名前は……
女子生徒達
キャー!!及川さんだ!!
そうそう及川だ。あ、違う。及川先輩だ。取り巻きが叫んだのを聞いて思い出す。この人めちゃくちゃモテるんだよね、確か。そう思いながら、近寄ってきた及川先輩に、バレーボールを渡す。
あなた
あなた
どうぞ。
及川徹
及川徹
ありがとう。
ニコッと笑う及川さん。あー、こういうので女子落としてるんだろうな。と思いながら、
あなた
あなた
いえ
バレーボールを渡せば、もう用事はなく、
あなた
あなた
次のメニューいきます
って言って練習再開する。及川先輩は、少し驚いていたようだけど、面白そうにふっと笑ったあと、バレー部の方へ戻っていった。
あなた
あなた
(多分あれナルシだな)
というのが及川先輩の第一印象だった。

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