ダムダム。ボールのつく音。キュキュキュ。バッシュが体育館に擦れる音。この音は私の好きな音。けど1番好きなのは……ザッ。こうやってシュートが入った時の音。
……この声はどうでもいいけど。シュートを決めた私の元に、
と言って、私のところに来てくれる先輩。
と、先輩と話していれば、人が集まってくる。先輩、同級生、後輩の子達が口々に、「凄かったです!」とか「流石うちのエース兼キャプテン。」とか「やっぱ好き(?)」と言うことを言ってくる。「次のメニューにいこう」と言おうとした時。足に何か当たった。それに気付き、そちらを見てみればバレーボールが。なんでバレーボール?と拾って首を傾げた時。
そう言いながら駆け寄ってくるその人。この人確か……バレー部のキャプテンの。確か名前は……
そうそう及川だ。あ、違う。及川先輩だ。取り巻きが叫んだのを聞いて思い出す。この人めちゃくちゃモテるんだよね、確か。そう思いながら、近寄ってきた及川先輩に、バレーボールを渡す。
ニコッと笑う及川さん。あー、こういうので女子落としてるんだろうな。と思いながら、
バレーボールを渡せば、もう用事はなく、
って言って練習再開する。及川先輩は、少し驚いていたようだけど、面白そうにふっと笑ったあと、バレー部の方へ戻っていった。
というのが及川先輩の第一印象だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。