第14話

#13
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2025/07/16 09:00 更新














 これが、その… …? 




 おん、
 書いてある内容的に、遺書やと思う 




あにきに見せてもらったそれは、
紫色の紙切れにかかれた
悲痛な文章。









「 みんなへ

 ごめんなさい
 これは事故とか事件やなくて
 僕の意思です。

 いっぱい迷惑かけました。

 ごめんなさい 」










その字は確かに、
しょにだのものだった。

実際に
しょにだの部屋から見つかって
いるのだから、
しょにだが書いたものであることには
おそらく間違いないはずだ。

事故、事件でない、僕の意思
なんて言っているから
俺の目に映してもそれは、
遺書にしか見えない。

ごめんなさい、なんて
彼が謝るべきことは何一つないのに。
 



 これが、しょにだの部屋、から…か 




 せや、 




 とりあえず今は、
 初兎から離れないようにする 




 初兎は死にたいかもしれんけど 
 俺は死んでほしくないから




 … …初兎まで死んだら、 
 俺は耐えられへん





俯きながら、
あにきがそう、
小さく零した。

ほとけが死んで寂しいのも、
しょにだが消えるのが怖いのも、
俺もあにきも一緒だった。




 どうしたら初兎は、
 死にたいって思わなくなるんやろ 





あにきの問いに、 
俺は答えを見つけることが出来なかった。


















 そうや、あにき 




 ん? 



 
 りうらとないこには 
 聞いたんやけど、 




 ほとけとあの日話したこと、
 なんでもいいから教えて欲しい 




 別にええけど、…なんで? 





ほとけのことについて、
何か聞けそうなのは
あとはあにきだけ。

ここで何か情報が得られれば、
ほとけの死んだ理由がわかるかもしれない。




 ほら、ほとけって 
 死んだとき仰向けに 
 倒れとったやろ? 




 自殺なら
 うつぶせの方が自然やし、  
 ちょっと… …違和感あるからなぁ 



 
 … …そっか、 
 考えたことなかったけど、 
 確かにそうやな




あにきは手を顎に当てながら、
記憶を絞り出すように話しはじめた。



 あの日の丁度前日やったかな 




 ほとけに頼まれて
 スイーツつくったんよ 

 

料理上手なあにきのスイーツか。

食べてみたい、と思ったし
ほとけがうらやましい、なんて
場違いだけど思った。

 
 
 それが美味しかったから、
 ありがとうって言われて… … 

 


 レシピを聞かれて… …あぁでも、 
 そんくらいやな




 その後すぐ、
 撮影始まってもうたし 




… …それだけ、か。

いや、それだけでも
有りがたいものだが、
正直成果はない、といえる。

これでは、どうして
ほとけが死んだのか、なんて
わかりようもない。



 それしか俺はわからんわ、 
 すまんな




 いや、大丈夫や 
 ありがとな



分からない。

どうしてほとけは、
崖から仰向けで落ちたんだ。

仰向けってことは、 
崖と反対側を見ていたわけだ。

なんで?

別に景色が良いわけではない。

なのにわざわざそっちを見るなんて、
そこに誰かいたのか?








… だれか、いた?








不透明だけど、何か、何かが
分かりそうな気がする。







__ もしかして … … 。







そこには誰がいたのか、
机に置かれた遺書に、
そっと目を落とした。 






















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