隣の席の物間が頬杖をついて
私の事を見つめている。
なにやら含みのある間を開けて、
物間はニヤニヤと笑いながら言った。
気恥ずかしくなった私は
目を逸らし、物間が顔を逸らすのを待った。
私は挑発するような
物間の言葉に呆気なく乗り、
再び顔を見上げる。
私は腹を立てて
物間からふいっと顔を背けた。
物間は特に何の反応もせず、
次にどんな事を言うのか私は待っていた。
目を弧を描くように細めて、
物間は私にそう言った。
鈍感な私に物間は呆れた様子を見せて、
重い腰を上げるように椅子から立った。
やれやれ、と物間は言いながら、
私の前に立った。
まだ言葉には続きがあるらしく、
物間は口を開けた。
片眉を上げて、
物間は私を揶揄った。
私が冷めた様子で言うと、
物間は面食らって変な声を出した。
物間は泣きそうになっている。
今までこんなに動揺している物間を
なかなか見たことがなかったから、
私は少し面白くなっていた。
しょぼん…と肩を落として
物間は私にそう言った。
私は落ち込んだ物間を励ますつもりで
そう言った。
だが、物間は真っ赤に染まって
石のように固まってしまった。
そんな珍しい様子の物間に
私は吹き出してしまった。
こう言うと、今度は物間は
真っ青になって固まった。
物間の好きの意味が通じるまでは、
まだまだ時間がかかりそうだった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。