第218話

告白[物間]
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2026/03/10 12:00 更新



物間 寧人
 …    
あなた
 ?、物間どうかした? 



  隣の席の物間が頬杖をついて
  私の事を見つめている。


物間 寧人
 …いーや?なんでもないさ 



  なにやら含みのある間を開けて、
  物間はニヤニヤと笑いながら言った。


あなた
 え、な、何…    
 そんな見られたら照れるなぁ 



  気恥ずかしくなった私は
  目を逸らし、物間が顔を逸らすのを待った。


物間 寧人
 あーあ、照れちゃって 
 随分思いっきり顔逸らすじゃないか 
あなた
 元はと言えば物間が…! 



  私は挑発するような
  物間の言葉に呆気なく乗り、
  再び顔を見上げる。


物間 寧人
 あー、またこっち向いたね 
 あなたの下の名前は挑発に乗りがちなんだねぇ? 
あなた
 あーもううるさいなぁ…! 
 物間は人の気持ちを弄ぶのが好きなの?! 



  私は腹を立てて
  物間からふいっと顔を背けた。

  物間は特に何の反応もせず、
  次にどんな事を言うのか私は待っていた。


物間 寧人
 人の気持ちを弄ぶというか…    
 あなたの下の名前の気持ちを弄ぶのが好きなだけさ 



  目を弧を描くように細めて、
  物間は私にそう言った。


あなた
 えっ?ど、どういう意味? 



  鈍感な私に物間は呆れた様子を見せて、
  重い腰を上げるように椅子から立った。


物間 寧人
 あなたの下の名前の事見てると楽しい、って 
 言ってるのさ 



  やれやれ、と物間は言いながら、
  私の前に立った。

  まだ言葉には続きがあるらしく、
  物間は口を開けた。


物間 寧人
 僕がちょっと弄っただけで 
 赤くなる顔を見てると面白いのさ 
あなた
 何それ!!悪口? 
物間 寧人
 っふは、違うさ 
 褒め言葉だよ?こう見えて 



  片眉を上げて、
  物間は私を揶揄った。


あなた
 ふんっ、もう物間なんて嫌いです 
物間 寧人
 …っな"    



  私が冷めた様子で言うと、
  物間は面食らって変な声を出した。


あなた
 え、なな何…    
物間 寧人
 い"、いいい、いや?!
 なんでも"っ、何でもない 



  物間は泣きそうになっている。

  今までこんなに動揺している物間を
  なかなか見たことがなかったから、
  私は少し面白くなっていた。


物間 寧人
 き、嫌いにはならないで欲しい…    



  しょぼん…と肩を落として
  物間は私にそう言った。


あなた
 嫌いになんかならないよ 
 むしろ好きだよ?



  私は落ち込んだ物間を励ますつもりで
  そう言った。

  だが、物間は真っ赤に染まって
  石のように固まってしまった。


物間 寧人
 ぼ、僕も好きだ…     



  そんな珍しい様子の物間に
  私は吹き出してしまった。


あなた
 っあはは、
 物間なんでそんな照れてんの? 
物間 寧人
 え、だ、だってつまり…    

あなた
 友達として、でしょ? 



  こう言うと、今度は物間は
  真っ青になって固まった。


物間 寧人
 はっ、は、ははぁ!?そうだよなぁ!? 
 そりゃそうだよな!!? 
あなた
 え、な、何 
物間 寧人
 もういっそ僕を殺してくれ…    



  物間の好きの意味が通じるまでは、
  まだまだ時間がかかりそうだった。


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