第217話

怪我[上鳴]
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2026/03/05 14:06 更新



  今回の課外訓練は
  命の危険と隣り合わせの現場だった。


あなた
 っ危ない…!!! 
上鳴 電気
 は、 



  上鳴の頭上には
  崩落してきた建物の瓦礫が落ちてきていた。

  それを私は見ているだけと言うわけにもいかず、
  上鳴の肩を押して
  私が身代わりになる形になった。

  私はモロにくらい、
  そこからの記憶はない。



あなた
 っん…? 



  目を開けると、
  白く簡素な天井が見えた。

  見えた、と言っても
  片目は包帯が巻かれていて見えにくい。


あなた
 あれ、寝てた…    



  どうやらここは病室らしい。

  心電図の単調な音と、
  腕に繋がれていた管でなんとなく察した。

  窓から見える景色は青空が広がっていて
  何日かは眠っていたみたいだ。


上鳴 電気
 !!、あなたの下の名前…? 
あなた
 あ、か、上鳴? 



  私の手は上鳴にぎゅっと結ばれていて、
  上鳴の様子を伺うに
  随分長くそばにいてくれたらしい。


上鳴 電気
 お、俺の事わかる…!? 
あなた
 え、うん…分かるよ? 
 ごめん、何がなんだったか…



  私は声を久々に出す感覚がした。

  上鳴は私の返答を聞き、
  目を見開いてその目からは
  ぼろぼろと涙が溢れてきている。


上鳴 電気
 ま"じで、ごめ"ん…!!! 
 俺が!も"っど…っしっかりしてりゃ…



  涙なのか鼻水なのか、
  上鳴の顔はひどく
  ぐちゃぐちゃになってしまった。


あなた
 え、えっと…何が起きたのか 
 説明だけお願いしても…?
上鳴 電気
 あなたの下の名前、っ、俺の"ごと庇って…っ 
 一週間ぐらい目ぇ開かなくて…!! 



  一週間、そう私は聞いて少し驚いた。

  3日か4日程度だと思っていたけど、
  少し長めに寝てたらしい。


上鳴 電気
 ま"じで、守れんかったし…っ 
 な"ん"なら"、守られちまって、!! 



  上鳴が泣き止む気配は見えなかった。

  上鳴の事を慰めるように
  私は上鳴の背中に回そうとした。


あなた
 っいて、 
上鳴 電気
 っ!!、大丈夫!?? 
 あんま無闇に動かないで…
あなた
 えっ、ああうん…    



  私の体は思っていたよりぼろぼろだった。

  腕にも包帯が巻かれていて、
  特に酷いのは顔だった。

  主に頭に瓦礫が当たったらしく、
  顔の半分はほぼ包帯に巻かれている。


あなた
 そんなに心配しなくても、 
上鳴 電気
 いやするから!!!心配で俺
 おかしくなりそうだったんだからな…!! 



  ずび、と鼻を啜った。

  手の力はぐっと強まり、
  私は苦笑をこぼした。





  そのまた数週間後、私は学校に復帰していた。


あなた
 どうも…!お久しぶりです 
芦戸 三奈
 だいじょうぶ!??まじで心配してたから 
 元気そうで安心…
轟 焦凍
 俺も心配してたから
 元気な姿見られて良かった 



  相変わらずのみんなに私はふっと口が緩んだ。

  後方から聞こえてくるどどどどと
  重い足音には気付かないフリをして。


上鳴 電気
 ちょっとあなたの下の名前!?!? 
 まだ休んでた方が良いって…! 
あなた
 大丈夫だって、
 もうだいぶ痛みも引いたよ 
上鳴 電気
 いやいや引いただけじゃ
 まだ安心できねぇから! 



  私は以前と何ら変わらず
  登校できるようになった。

  が、その代わりに上鳴が信じられないくらい
  過保護になった。


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