インスタライブの翌日。
楽屋に入った瞬間、
太智は気づいた。
声は普通。
でも、空気が少し重い。
スマホを見て、
太智は理由を知る。
こんな投稿があったからだ。
『M!LKのインライが激しすぎる』
例の場面を切り抜いた動画。
📝📝
《太智と勇斗だけ距離おかしい》
《公式匂わせ?》
《ちゃのざき嬉しい》
トレンドにも、
小さく名前が出ていた。
太智が言うと、
舜太が苦笑する。
柔太朗は、
スマホを伏せて言う。
仁人は腕を組んだまま。
勇斗は、
いつもより口数が少ない。
太智は、
胸の奥が少し痛んだ。
( 俺のせいだ )
太智は、
ゆっくり言った。
沈黙。
舜太が、少し真面目な声で言う。
柔太朗もうなずく。
勇斗が、
小さく息を吐いた。
一瞬、太智を見る。
その言葉が、
胸に刺さる。
( 見られてるんだ )
( 俺たちの関係は、 )
( もう俺たちだけのものじゃない… )
その日の午後。
ネットでは、
さらにコメントが増えていた。
📝📝
《メンバー内不仲説》
《太智勇斗だけ特別扱い》
《他メンかわいそう》
《付き合ってるの?》
太智は、
思わずコメントを閉じる。
レッスン前、
太智は言った。
仁人が、少し強い声で言う。
その言葉に、
全員が黙る。
勇斗が、
太智に向かって言う。
太智は、少しだけ笑った。
その夜。
公式アカウントに、
短い投稿が出た。
《今日もレッスンでした。
変わらず、5人で前に進んでます。》
それだけ。
でも、
それで少し空気が変わった。
📝📝
《深読みしすぎてたかも》
《普通に仲良しなだけか》
《信じる》
だいちは、
スマホを見ながら思う。
( 好きなままでいることと )
( 誤解されないようにすること )
( その両方を )
( 背負うんだ )
炎上しかけて、
初めて分かった。
関係は、
静かに続くだけじゃない。
見られて、
測られて、
試される。
それでも。
楽屋で並ぶ五人は、
昨日と同じ場所にいた。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。