第18話

第16話 決まった選択【第1章/終】
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2026/02/03 12:18 更新






























太智は、1人で屋上にいた。


夜風が、少し冷たい。
街の光が、遠くで煌めいている。


( 選ぶって言ったくせに、
  まだ…選びきれてない )

いや、違う。

「決められない」んじゃない。
「決めない」と決めたのだと、
やっと自分で分かった。

足音がして、
後ろに気配が増える。

振り向くと、
舜太、柔太朗、仁人、勇斗。
全員が、そこにいた。


塩﨑太智
塩﨑太智
…来たんだ
太智は、苦く笑う。
吉田仁人
吉田仁人
……話、あるんだろ
仁人が言う。
太智は、深く息を吸った。
塩﨑太智
塩﨑太智
俺さ
塩﨑太智
塩﨑太智
誰かを選べば、正解になるって思ってた
塩﨑太智
塩﨑太智
でも…それって、多分
塩﨑太智
塩﨑太智
今の俺には、到底できない
柔太朗が、少し驚いた顔をする。
山中柔太朗
山中柔太朗
それ、って……
塩﨑太智
塩﨑太智
うん
太智は、はっきり言った。
塩﨑太智
塩﨑太智
俺は、
塩﨑太智
塩﨑太智
誰も選ばないよ
沈黙。

でも、それは責めるような沈黙じゃなかった。
塩﨑太智
塩﨑太智
みんなのことが好きなのは本当
塩﨑太智
塩﨑太智
でもその“好き”を
塩﨑太智
塩﨑太智
誰か1人決めるには
塩﨑太智
塩﨑太智
俺はまだ、自分の気持ちわかってない
胸に手を当てる。
塩﨑太智
塩﨑太智
中途半端なまま
塩﨑太智
塩﨑太智
誰かを特別にしたら
塩﨑太智
塩﨑太智
その人も、他のみんなも
塩﨑太智
塩﨑太智
絶対傷つける
塩﨑太智
塩﨑太智
…それだけは、
塩﨑太智
塩﨑太智
したくなかった
舜太が、先に笑った。
曽野舜太
曽野舜太
……そっか
曽野舜太
曽野舜太
太智らしいね
柔太朗も、少し困った顔で言う。
山中柔太朗
山中柔太朗
振られた、って感じでもないのが
山中柔太朗
山中柔太朗
逆に複雑だけど
仁人は、腕を組んで。
吉田仁人
吉田仁人
でも
吉田仁人
吉田仁人
逃げてないよな
最後に、勇斗。
佐野勇斗
佐野勇斗
……それで
佐野勇斗
佐野勇斗
後悔しない?
太智は、少し考えてから言った。
塩﨑太智
塩﨑太智
するかもしれない
塩﨑太智
塩﨑太智
でも、
塩﨑太智
塩﨑太智
嘘の答え出すより
塩﨑太智
塩﨑太智
本当の迷いのまま出す方が
塩﨑太智
塩﨑太智
ずっといい、って思ったんだ
誰も否定しなかった。

夜景が、みんなの間を通り抜ける。
山中柔太朗
山中柔太朗
関係、変わる?
柔太朗が聞く。
太智は、首を振る。
塩﨑太智
塩﨑太智
変えない
塩﨑太智
塩﨑太智
少なくとも、俺は変えたくない
仁人が言う。
吉田仁人
吉田仁人
じゃあ
吉田仁人
吉田仁人
今まで通り?
塩﨑太智
塩﨑太智
……今までより
塩﨑太智
塩﨑太智
少しだけ、正直なまま
舜太が、肩をすくめる。
曽野舜太
曽野舜太
難しい男だな
でも、声は優しかった。
勇斗が、空を見上げて言う。
佐野勇斗
佐野勇斗
じゃあ
佐野勇斗
佐野勇斗
まだ
佐野勇斗
佐野勇斗
終わってないってことだな
太智は、優しく微笑んだ。
塩﨑太智
塩﨑太智
うん
塩﨑太智
塩﨑太智
終わらせなかった

誰かを選ばない。
でも、
誰かを失ったわけじゃない。

太智は思う。

 ( 答えを出さないって )
 ( 逃げじゃない )

 ( “今の自分に“ )
 ( 正直でいる、ってことなんだ )
 















夜の中で、
5人は、同じ景色を見ていた。



それぞれ違う気持ちを持ちながら、
それでも、
同じ場所に立っていた。




この決断を下されても、
誰も怒らない。
誰も責めない。



なんでだろう。
理由はたった1つ。



太智のことが好きすぎるからだ。
























ーーーFinーーー

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