第4話

4.恋人
484
2024/09/01 04:00 更新
あの日、あのとき。

病院の霊安室で横たわる北斗を見たとき。

俺は何を思ったんだっけ。

北斗の死を悔やんだ?

北斗の思い出を探った?

北斗の名前を呼んだ?

俺は泣いた?笑った?無表情だった?

もう思い出せないくらいに感情が消えていて、

感情がないはずなのに頬を伝う雫が俺の視界を邪魔して

帰り道の街の灯りすら

何億年前かの星の光すら怖くって




あの日だけ

あの日だけだった

北斗のことを考えて泣いたのは。

好きで泣いたり

傷ついて泣いたり

俺は一度もなかった。





俺らはちゃんと恋人だったのかな















好きで











愛し合った瞬間なんてあったか?














互いに傷つくことも






傷つけることもなくて






泣き合うことも





本音を吐き合うこともなくて






それって




ほんとに……






好きだった?




支えあえてた?

俺は

俺は








ちゃんと北斗のために生きられてたのかな、…

プリ小説オーディオドラマ