恋人が死んだ
母さんにそう送った。
返事はこう
え?
の二文字。
ぁあ、だめだ。わかってない。
俺がほしい言葉は「え?」じゃないのになぁ。
母さんは何故かしつこく聞いてくる。
それだけ送り、スマホの電源を落とした。
これから警察からの事情聴取がある。
北斗のことに向き合うチャンスなのだ。
警察官「発見時、どんな状況でしたか?」
京本「えっと、顔が白くて、あとお湯が張ってあったんですけど、少しお湯が赤くて。俺が首に脈をあてたときには…脈は………………」
言葉を濁らせる。
正直、北斗のことは思い出したくない。
けど、けど、……
俺は、北斗のために生きなきゃだめだから……。
それから20分程の事情聴取を終え、俺は家に帰った。
京本「……」
北斗の過ごした跡がそこらじゅうに残っている。
また帰ってくるような、そんな気がする。
でも
あの日の光景を思い出す。
顔が白くて、血が滲んでて、目はきれいに閉じられてて。
だから
だから余計しんどい。
あんなきれいに死んじゃうから。
あんなきれいな死に方しちゃうから。
俺はまた涙を零す。
自分の無力さにいらつく。
北斗がいない。
それに早く気付けたら、
こんなことならなかったのにって。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。