バタンッ バタンッ
そう言って外に出ていった数十秒後、 さんは血相を変えて走って戻ってきた。
『こちら本部長、電波妨害につき、東西ヒーローへの連絡が取れない!仮免ヒーローの本部護衛目的の戦闘を許可する!』
仮免ヒーローが10人ほど雇われているのは知っていたが、経験と力を持った東西ヒーロー1人が150体を相手している現状で、いくら体力自慢の若者と言えど素人が倒せるのか。
しかも、5メートル以上のデカいやつもいるらしい。
仮免ヒーロー達、最悪、死ぬ。
その瞬間、俺は頭の中をフル回転させた。
本部を壊されれば、ヒーロー活動に甚大な被害が出る
ヒーロー活動が出来なくなれば、国民を守ることが出来なくなる
そうなれば、国がヴィランによって壊滅する可能性も十分にある
壊させてはいけない、壊させない
そのためには、
そして俺は手袋を受け取った。
変身は半年ぶりだけど、上手くいくはず。
少し力むだけで小刻みに震える手に手袋を被せる。
指を鳴らした瞬間、全ての不調が飛び、体が浮いたと錯覚するほどに軽くなった。
そして、慣れ親しんだ戦闘服、マントを纏った俺は
それだけ言って本部に向かって走り出した。
家から出て、気配を探る。
本部の方には、変身した仮免ヒーローが5人、ヴィランの気配がする後ろ側にも5人。
本部の方の人達は、みんな目を輝かせていて、初のヒーローの任務に期待しているような顔だった。
そんな、生易しいものじゃないのに。
真後ろにある大きな気配の方を振り向くと、20メートル程ある大きな妖魔がいた。
少し大きめの箱のようなものから、常に妖気が放出されていて、それを吸い込むことでここまで大きくなったみたい。
妖気が常に出てくる箱...
次回⇒ ☆90












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。