第58話

Chapter.58
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2022/06/18 01:28 更新















浜辺から上がり、道路に出る。




ここから100mくらいか。


道路の向こう側にあなたの家がある。










一歩ずつ、近づく。

道路を挟んで、宿が見えるところまで来た。






塀の上に、懐かしいウッドデッキが見える。









勝手に心臓がバクバクなってる。




初めてステージで
自分の歌声を披露した時と同じくらい。







『…..いや、てか、いるかわかんないし』




緊張しすぎて急に出たひとりツッコミ。

多分今ちょっと頭おかしい。

自分で自分に言い聞かせてる。












そのとき、遠くから声が聞こえた。






『おかあさーん、
 ナギサ、泣いてるからもういくよーー!』




聞こえた声に固まってしまった。








あなたの声だった。



あなたが、いた。




間違えるわけがない。






それと同時に、

聴きなれない赤ちゃんの泣き声も聞こえた。








『………..ぇ』









ナギサ?






本当に意味がわからなかったけど





脳が勝手に色々考え始めようとした瞬間に

敷地内から一台の車が出てきた。









後部座席に座るあなた。




俺の前を車が通り過ぎた。







数ヶ月ぶりに見るあなたの顔。


たったの数秒の時間が、
コマ送りに見えた。






『………あなた.............』






溢れでる声。






呆然としてるうちに車は行ってしまった。








また、会えないのか。




いや、やっと会えたと言うべきか。














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