あなたが…
俺の腕の中へと戻って来てくれた…。
愛しい。
本当に愛しい…。
縁側に夕陽が差し込み、
あなたが紅く染まっている。
つかまえていないと、
日が沈むとともに消えてしまいそうで、
急いで引き寄せた。
俺は、あなたの肩を両手でつかんだ。
手が震えていたかもしれない。
あなたの柔らかなくちびるに
俺の口をゆっくり重ねた。
角度を変えて、何度も…。
あなたは…嫌がっていない…よな?
俺はさらに、
あなたの口内に舌を侵入させると、
中でかき回し、あなたの舌に絡めた。
頬に手を添えて、
時折、くちびるを優しくかみ、
いっぱい吸った。
愛する人が俺を受け入れてくれる幸せ…。
だが、焦ってはならない。
長い口づけからようやく離すと、
互いのだ液が糸を引いた。
寄せられた首元に吸いつきそうになる…。
だが今日は…。
口づけまでに留めて、
あなたの艶やかな髪を
大切に大切になでた。
…ッ!!
がんばって、
がまんしているというのに…。
やばい…。
~あなた目線~
するかなって思ったんだけど…/////
きっと、大切にしようって
思ってくれてるのよね。
義勇さんが、
顔を洗って縁側に戻ってきた。
義勇さんの心づかいが、
痛いほど伝わってくる…。
想いに応えたいな…。
そして次の日。
寝じたくを済ませ布団に入ると、
義勇さんは、また口づけしてくれた。
舌をめちゃめちゃに絡めると…
義勇さんは、ぎゅっと目をつぶって
布団をかぶった。
義勇さんに…
ふれてほしいんだけどな…
してくれない…のかな…。
向こうを向いた義勇さんの背中に、
頭をコツンとぶつけて、
私も布団をかぶって寝た。
~義勇目線~
あなたの目…トロンと潤んで、
湿ったくちびるが艶やかだった。
その下につながる、白い肢体…。
かわいい…。
背中が気になる…。
ああ…。
だが、がまんだ…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。