第38話

口づけ
8,588
2020/08/18 13:35
あなたが…
俺の腕の中へと戻って来てくれた…。

愛しい。
本当に愛しい…。



縁側に夕陽が差し込み、
あなたが紅く染まっている。

つかまえていないと、
日が沈むとともに消えてしまいそうで、
急いで引き寄せた。
義勇さん
義勇さん
ああ…
あなたっ…
俺は、あなたの肩を両手でつかんだ。
手が震えていたかもしれない。

あなたの柔らかなくちびるに
俺の口をゆっくり重ねた。

角度を変えて、何度も…。


あなたは…嫌がっていない…よな?
あなた
…ん…
義勇さん…
俺はさらに、
あなたの口内に舌を侵入させると、
中でかき回し、あなたの舌に絡めた。

頬に手を添えて、
時折、くちびるを優しくかみ、
いっぱい吸った。


愛する人が俺を受け入れてくれる幸せ…。



だが、焦ってはならない。
あなた
…ぎゆ…さ…んッ

なんかいつもと違っ…
義勇さん
義勇さん
…ッ…ハァッ
長い口づけからようやく離すと、
互いのだ液が糸を引いた。

寄せられた首元に吸いつきそうになる…。


だが今日は…。


口づけまでに留めて、
あなたの艶やかな髪を
大切に大切になでた。
義勇さん
義勇さん
あなたの中も
俺でいっぱいにしたい…
あなた
いっぱい…ですよ…/////
…ッ!!

がんばって、
がまんしているというのに…。
義勇さん
義勇さん
そうか…/////
やばい…。
義勇さん
義勇さん
少し、顔を洗ってくる
あなた
はい…



~あなた目線~
するかなって思ったんだけど…/////

きっと、大切にしようって
思ってくれてるのよね。



義勇さんが、
顔を洗って縁側に戻ってきた。
義勇さん
義勇さん
今日は俺が飯を作る
あなたはゆっくりしててくれ
あなた
じゃあ一緒に…
義勇さん
義勇さん
いいから
あなた
ふふ
そうですか?
じゃあ待ってますね!
義勇さんの心づかいが、
痛いほど伝わってくる…。

想いに応えたいな…。



そして次の日。

寝じたくを済ませ布団に入ると、
義勇さんは、また口づけしてくれた。

舌をめちゃめちゃに絡めると…
あなた
ん…ハァッ…
義勇さん
義勇さん
あなた…
今日もかわいい…

おやすみ
あなた
えっ…
おやすみなさい
義勇さんは、ぎゅっと目をつぶって
布団をかぶった。
義勇さん
義勇さん
(あなたから求めてくれるまで
 がまんだ…)
あなた
(私から求めたら、
 はしたないわよね…)
義勇さんに…
ふれてほしいんだけどな…

してくれない…のかな…。
向こうを向いた義勇さんの背中に、
頭をコツンとぶつけて、
私も布団をかぶって寝た。



~義勇目線~
義勇さん
義勇さん
(抱きたい…)
あなたの目…トロンと潤んで、
湿ったくちびるが艶やかだった。

その下につながる、白い肢体…。


かわいい…。

背中が気になる…。
ああ…。

だが、がまんだ…。






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