第26話

#26 【 複雑な気持ち 涼麻side】
609
2020/08/13 10:42








前半戦……




試合は順調。






いつも通りボールを追いかけ




いつも通りにシュートを決める。






そしていつも通り
歓声が心地よい。
























2点先制。












順調。



















2点目のゴールを決め
歓声が響く中見つけたんだ。







ベンチに腰かける












2人の姿。















目……合ったよな。









莉月?。









どうして逸らす。














あいつの横にいる莉月はいつも笑ってた










仕方ないなっていいながら









見たことも無い笑顔を見せるんだ。















ずっと見てきた。








俺はずっと。












いつもどこかほっとけなくて









どうしようもなく可愛く映る。
















なのにどうして今日は
そんなに不安そうな顔をする?。
















ああ。













俺のせいか。


















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あいつの笑顔を奪うくらいなら



















いっそ……

























俺はゴールを外した。
















ゴールスレスレのポールを放ったんだ。
コントロールするのなんて……簡単だった。
いつものように決めれば良いだけだった。










断るのが下手な莉月なら、
きっと俺のところに来るんじゃないかって










強引に約束をさせた。













でもそれはきっと




俺の自己満足でしかないんだよな。

























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お前の笑顔を奪うくらいなら。


















”ドンマイドンマイ”










友人が叩く肩におれは申し訳なさそうに




























涼麻
涼麻
わりぃ。













そう呟くしか出来なかった。



















ごめんな。莉月。











でも俺






















当分諦められそうにねぇや。





















-to be continued-










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