第38話

37 、刻印
2,781
2025/06/21 02:33 更新


乾 ないこ
もし 、もし
稲荷 ほとけ
『 お 、ないくん 〜 。お熱い展開のところ邪魔しちゃって本当にごめんね? 』




お熱いところ!?


なんて 、つい動揺してしまうけれど 、


今はそれどころじゃなくて 。


お熱いのはいふの体 … !


稲荷 ほとけ
『 いふくんに仕事で伝言があったんだけど 』
稲荷 ほとけ
『 … それよりさ 、みんなで話してたんだけど 、いふくんてさ 、ないくんとふたりのときってどんな感じなの〜? 』
乾 ないこ
う 、えあ 、あのねいむ 、いふ高熱があってつらそうで!
乾 ないこ
とりあえず来てくれたら嬉しいんだけどっ
稲荷 ほとけ
『 いふくんが?わあまじか 』
稲荷 ほとけ
『 無理するなって言ってたのに … 』




ぼそりと低い声が落とされる 。


'' 無理するな '' … ?


稲荷 ほとけ
『 わかった 、今から行くよ 』
稲荷 ほとけ
『 ないくんもそこで待ってて 』




そうしてプツリと通話は切れた 。


2 、3分ほどで部屋のインタ ー ホンが鳴り 。


扉へ向かおうとすれば 、手首を掴まれる 。


猫宮 いふ
どこ行くんや
乾 ないこ
いむ呼んだよ 、いふ辛そうだから …
猫宮 いふ
いい
猫宮 いふ
中には入れんな
乾 ないこ
う 、でも




ためらいつつも 、


なんわり振り払った 。


あっさり離れていった体温に 、


不安が募る 。


俺を掴む手にすら力が入ってなかった 。


乾 ないこ
いきなりごめん
乾 ないこ
いむ 、来てくれてありがとう …
稲荷 ほとけ
ん ー ん
稲荷 ほとけ
僕もいふくんのこと 、初めからちょっと心配だったんだよね
乾 ないこ
初めから?
乾 ないこ
いふ 、もしかして今日最初からずっと具合悪かったの?
稲荷 ほとけ
いや 、なんていうか …




いむは一旦言葉を切った 。


返事のないまま 、


ふたりでソファのある部屋へ向かう 。


稲荷 ほとけ
いふくん 、さっき僕が渡した薬ちゃんと飲んだ?
猫宮 いふ
… いや
稲荷 ほとけ
ねえ 〜 もう
稲荷 ほとけ
なんでいつもすぐ飲まないの?
稲荷 ほとけ
痛いと眠れないし 、悪循環でしよ




痛いってなに?


いふはどこか悪いの … ?


気になって仕方がないのに 、


俺が口を挟めるような空気じゃなく 、


少し離れた位置から


ふたりを見つめることしかできなかった 。


稲荷 ほとけ
ねえ 、ないくん
稲荷 ほとけ
紙袋がキッチンのそばのテ ー ブルにあるらしから 、取ってきてもらってもいい?
乾 ないこ
っ 、うん 、わかった




いむがいふに渡してた 、


薬が入った紙袋のことだよね … 。


どこだろうと 、探す手間もいらなかった 。


物という物がほとんどない空間に


ぽつりと置かれていたそれを持って 、


急いで部屋に戻る 。


稲荷 ほとけ
ありがとないくん
稲荷 ほとけ
ほらいふくん
稲荷 ほとけ
これと 、あと解熱剤も持ってきたから一緒に飲んで
猫宮 いふ
……
稲荷 ほとけ
今日は '' 嫌だ '' はなしだからね
稲荷 ほとけ
ないくんの顔みてみて
稲荷 ほとけ
さっきから心配で泣きそうになってる




うっすらと開いた瞳が俺を捉えた 。












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