逸らしたくなのを我慢して 、
青い瞳を見つめる 。
いふを説得するために勢いで出てきたセリフに
「 あ … 」と 、ワンテンポ遅れて赤面す。
だけど 、負けじともうひと押し 。
本心を悟られないようにじっと耐えていれば 、
いふのほうが先に瞼を伏せた 。
小さくつぶやかれた言葉は聞き取れず 。
聞き返せば「 いや 」と
乾いた笑いが返ってきた 。
浮き沈みのない声から感情は読み取れない 。
冗談とも取れず 、
固まってしまう 。
直後 、ぐらりとめまいがした 。
俺を動揺させるためには十分すぎたその言葉 。
思い出したくない記憶を 、嫌でも呼び起こす 。
『 お前みたいなヤツ 、心の底から軽蔑する 』
別れた相手の言葉がよみがえる 。
指先が一瞬で冷たくなっていく 。
もうどうでもいい 、なんとも思わない 。
きっと大丈夫だ 、と 。
昨日 、いふと再開したとき最初はそう思った 。
だけど 、やっぱり 、
ふたりでいると抑えられなくなる 。
趣味を見つけて没頭するふりをした 。
苦手な合コンにも参加してみたり 、
少しかっこいいなと思う人のことを
好きだと思い込んでみたり 。
でも … 俺が長い時間をかけて
ようやく手放した気持ちを 、
いふは一瞬で戻してしまう 。
会いたくなかった 。
俺がどれだけ苦しかったのか 。
どんな思いでいふを忘れようとしたか 、
この人は知らないのだ 。
『 最低やな 』
俺が元彼と別れたのは 。
いふのことを好きになってしまったから 、
だということも 。
好きな気持ちは 、
言わないと気づいた瞬間 、
涙に変わってしまう 。
言葉を続けようとしても声が震えてもう無理だった 。
これ以上泣いたら
絶対面倒くさいと思われるよね 。
QUEENなんだから 、
KINGに迷惑かけないようにしなきゃいないのに 。
この部屋にはもう居たくない … 。
おもむろに腰をあげようとしたときだった 。
俺の肩に 、
うなだれるようにして頭を乗せたいふが 、
低くかすれた声でつぶやいたのは 。
耳元で響くから … くらくら 、して 。
🐶様活動5周年おめでとうございます!!🎉












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!