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第19話

先生
811
2026/06/09 12:41 更新
名札を見て、すぐ、助けなければ
いや、行かなければ
そういう思いに襲われた
(なまえ)
あなた
っ…皆さんは先に避難してください!
避難先はまだ遠い、でも、大丈夫
そう思って駆け出した
後ろから

『なんで?』

『え?』

『何かあったのか?』


等声が聞こえてくる
(なまえ)
あなた
僕は他の人のところに行ってきます!
近くに行けば救助隊が来てくれます!
そう叫んで走った
救助隊が来ているのかは知らないし
分からなかったが先生が心配だった
瓦礫をあげたら先生が居た
もう、鼓動が弱くなっていて
分かった、これは、助けられない
(なまえ)
あなた
っ…でも、先生は助ける
ここで死んだら先生の身分がわかる
その結果どう世間に晒されるか分からない
必死で心臓圧迫をする
(なまえ)
あなた
っは、っ、はっ、
1分に120回
そして人工呼吸
(なまえ)
あなた
っ…
もう、助けられない事くらい分かっていた
脳内では、分かっているんだ
だけど、だけど、助けたかった
瞬間、激痛が体を走る
この痛みを、俺は知っている
痣が伸びた
なぜかは分からない
でも、
(なまえ)
あなた
何か出来ることがあるんならさっさと伸びきってしまえ!!!
と、半ば自暴自棄になりながら叫ぶ
結果、伸びた
全て伸びて、眼球まで飲み込んだ
そして、見えたのは
先生が俺の見るよな夢を見ているということ
(なまえ)
あなた
あの子が、起きた…?
こういう事ができるのは、kozaka_cの中でも実験を重ねられていたあの子しか居ない。
…なんで?
そんな思考があったが考えている暇はない
あの子が、あそこから救い出してくれるならなんだっていい
我武者羅に先生の手当をする


自分が置いていった患者のことなんか考えずに


(なまえ)
あなた
一通り、打てる手は全部打った、あとは
この惨状がどうかなるのを待つだけ
(なまえ)
あなた
こんな景色、二度と見たくなかったかもね
建物が崩れて、電柱が倒れて、街が半壊して、積み重ねてきたものが一気に崩れていく
これでも最小限の被害で済んでいるけどそこで住んでいた人は軽い気持ちじゃすまなくて
これからの生活にみんな不安になって
そんな景色


刹那、後ろからポン っと方を叩かれたような気がして勢いよく後ろを振り向く
でも、そこには誰もいなくて
目にしたのは、








自分が置いていった患者たちの
悲惨な姿














死人が出ていてもおかしくない、そんな感じ
聞いた事がある、こういう精神的局面に立たされている人達のなかで1人でもパニックを起こせば皆それにつられていく。逆に言えば1人でも冷静でいれば皆冷静を保てる。

今回の場合、前者だったのだろう
俺が離れたことで「怪我しても直してもらえる存在」として居た者が消え、「必ず生きて帰れる」という最低保証を無くしたのだ
結果のパニック
パニックになったからあと10歩も歩けば着く安全地帯の所まで辿り着けなかった
俺のせい、俺が先生を助けたせい
思考が最悪な方雨に走っていく





…まぁ、「今の自分」には関係ない事か
また、逃げればいい
姿を変えればいい
ただの偽りに過ぎない人格に、何本気になってんだ
そう思うことで冷静を保とうとするがいくら今の生活が偽りだとしても、「命に偽りはない」という事実が目の前に立ちはだかる

(なまえ)
あなた
…もう、医療品も尽きてくる
(なまえ)
あなた
どうしたらいいんだろう
気持ちの大半は    俺のせいでこうなった   と、責められないだろうか
そんな利己的なことなのにも虫唾が走る。
もう、近づくことすら憚られる。
見放した俺が、また行った事で不安な気持ちを増やさないだろうか。
どうせ置いていかれるとか思わないだろうか








いっそ、俺もここで死んだことにしようか

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