学園 着
教室
あなたの下の名前(カナ)・シェリルSide
授業が終わり、昼休みになった
するといつ買ったのか分からないがアヤトが私にソーダを渡してきた
私はソーダを開け一口飲んだ
いつもと同じソーダなのに味がしない
そういって教室を出たアヤト
一瞬、思考を読まれたかと思った
アヤトは頭脳派じゃないのにたまに鋭い
そう言うと黙って歩きだした女子生徒
そして入ったのは今は使われていない空き教室
ファンクラブ…ね
アヤトにそんなのがあったのね…
私は相手の話を聞かず教室を出た
でも出た瞬間…
アヤトと鉢合わせてしまった…
ここで会うと少し面倒だ…
少しアヤトに探られた気がするけど気の所為?
それにアヤトの雰囲気が少し違う…
目が笑ってない…
そんな事を考えていると見慣れた道に来ていた
アヤトが急に立ち止まって言った
私はこれ以上言いたくなくて歩きだした
アヤトが私の腕を掴んだ
そこまでして聞きたいの?
アヤトの言い分は正しい
別に言っても私に何かされるわけじゃない
でも…どうしてか言いたくなかった…
そのままアヤトは私の手を引いて家まで送ってくれた
自宅
何でだろう……さっきまで繋いでいた手が未だ温かく感じる…
コンコン
家に居ることを忘れていた…
私は声を切り替えて言った
ガチャ
入ってきたのは私の専属メイドのアリィだった
でもこの時間はいつもキッチンに居るはず…
何の話かな……
どうせ成績の話だろうけど
と、予想を立て母上の部屋へと向かった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。