.
ネックレスがないことに気づいて事務所を出てから
はや30分。
最後に可能性のある公園前の一本道で探していた。
ここは私たちの住む最寄り駅から10駅のところ。
用もなしにここまで来るはずがない。
.
.
ツアーが近くて忙しい彼に
言ってもいいものなのだろうか。
ふと躊躇った。
.
.
それだけ言って、また歩道のわきにしゃがみこんで、
探しはじめた。
隣で人の気配がした。
じゃみこんでいたのは私だけじゃなかった。
彼は雑草を掻き分けた。
まるで何かを探しているかのように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕とあなたが探し始めて1時間が経った。
一向に見つからないネックレス。
それでもあなたはなんの弱音も吐かず、
ただただ探し続けている。
気付けば雨が降っていて、
僕も彼女もびしょ濡れだ。
だけど、僕は、
あきらめよう
なんて言わない。
そんなことを言ってしまったら、
あなたがどんな顔するのかくらい、
わかっているから。
どんだけ一生懸命なんだよ。
考えてみれば僕がおかしいんだよね。
好きな人が好きな人から
貰ったものを一緒に探すなんて。
けど、本望だ。
応援するって決めたんだから。
そう言ってあなたは少し涙目な顔で、
見つかったネックレスを見せてくれた。
本当に良かった。
その時だった。
僕はあなたの後ろににいる、
身に覚えのある気配に気がついた。
暗くてよく見えない。
だけど、ほんと少し、嫌な予感がした。
――――――――――――――――――――――――














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。