ずっと歩いていた。
その後も一言も話さずにただひたすら暗い道を真っ直ぐ歩いた。
すると、ある御屋敷が見えた。
🐰「さ、この中に入って。」
『え、、ここですか……?』
🐰「そうだけど。」
と、淡々と話すじょんぐく君に私はついていけない。
御屋敷の中に入ると、そこには召使いと思われる人が数十人いて じょんぐく君の帰りを待ちわびていたかのように
〘 おかえりなさいませ 〙
と一斉にいってお辞儀をして見せた。
こんなにかしこまって言われる おかえりなさい を聞かなくてはいけないなんて………
と、思っていたのも束の間だった。
🐰「この人間、捕まえておいて。逃げないように。」
そうじょんぐく君が冷たく放ったのだ。
『え…………』
〘かしこまりました〙
そう言うと、私の腕から足からすべてを掴まれてどこかへ連れていかれる。
私はこのまま死んでしまうのか………
でも、そんな中考えた。
じょんぐく君はなぜあんなに悲しそうな瞳をしているんだろう _____
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!