あなたside
中也くんと長話を治くんはまた歩きだした。
少し歩くのが疾くなったせいか、
後を追うのが少し大変になってきた。
ガシャーン!!
そんな大きな音がして、私は慌てて音がした方向をみた。
すると、私が居る場所の斜め上、取り壊し中の建物の足場が崩れ落ちてきたのが目視できた。
その足場は私の頭を目掛けて落ちてくる。
咄嗟のことで回避が遅れた。
避けられない。そう思った。
その時、私は誰かに押し倒され、
間一髪のすれすれの距離で落ちてきた
足場から避けることができた。
私を押し倒した人の正体、
それは治くんだった。
私を庇う形で覆い被さりながら守ってくれたようだ。
若し私が間に合っていなかったら…
と治くんは付け足して言った。
治くんは口を尖らせながら言った。
治くんがそうやって言った後、笑いが堪えられなかったのか治くんまで一緒に笑ってくれた。
そう言って私と治くんは
手を繋ぎながら二人で帰った。
そして、少し余談を一つ。
治くんは口角をあげながら
私に迫ってきた。
私は後ろに後退るも、直ぐに壁に当たってしまい避けられないように追い詰められてしまった。
治くんの目を見れば判る。
決して冗談を言っているのではない。
私は逃げ場もなく、
治くんに追い詰められる怖さで思わず目を瞑った。
その時、何か柔らかいものが私の唇にあたる
感覚がした。
私は驚いて目を開けた。
そう言われた私の顔は
無論、林檎のように赤くなっていった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。