今日も日光で目が覚める
スマホには10:04と表示されていた
ガチャ
コンコン
ガチャ
ドアを開ければ電気のついてないとあの部屋
降りて洗面台で顔を洗う
ジャー
ブォー
ドライヤーで髪を整えて歯を磨く
部屋に戻って服を出す
ワイシャツに腕を通して体育着のズボンを履く
スカートに足を通して上着を着る
机の端に置いてあるバックにスマホと筆箱を入れる
淡々と進んでいく準備と裏腹に私の気持ちは落ちていくばかりだった
ガチャ
ガチャン
玄関のドアを開けて鍵で閉める
歩いて学校に向かう
下らないことを考えていればいつの間にか学校に着く
もちろん授業中なので職員室用玄関から学校に入る
大番先生は担任でとても優しい
ガラッ
学年主任の山区之先生
出会い頭に毎回説教を食らうから苦手だ
なんで男だったらスカート履いちゃダメなんですか
2.3人がこっちを見て話してるのが分かる
グッと喉が締まって心臓が少し痛い
何かが零れそうな目は零れないまま前を向いて帰った
心で反抗的な態度を取って重く受け止めないように
一言一言を間に受けて傷つかないように
泣くのは帰って家で泣こう
next···▸❤︎260
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。