「 そういえばあなた彼氏とかは 、? 」
とある休日 。
学生時代からの友達が仕事でこっちに来る 、という連絡にすっ飛んできた
ずっと一緒に学生生活を過ごした懐かしい顔
ちょっとだけ変わったなと思ったけれど話してみれば中身は全く変わってなくて
運ばれてきたクリームパスタをスプーンの上でフォークに巻き付けながら首を傾げて笑う
「 ... つい最近 、でき 、た ... 」
「 えー!!!! ほんと 、!? 」
若干大きすぎるリアクションがお店に響いて 、友達のイェリは申し訳なさそうに縮こまって声のトーンを下げた
「 ... よかった 、前の人のさアレもあって 、心配してたんだ 」
「 ... ぜんっぜん 、大丈夫 、笑 」
前の 、という伏せられた話題に苦笑する
粘着質すぎて別れるのに一ヶ月以上かかった人 .
他にも子供っぽいところが多くてすごく嫌だった
「 イェリは 、どうなの最近 」
「 最近仕事忙しくてあんまり会えてないんだよね 」
「 そっか 、年上だもんね ... 」
「 ちょっと寂しいけど 、こんなもんよ 」
「 そっか 、... 」
「 で 、どんな人 ? 写真は ? 優しい 、? 」
「 落ち着いて 、笑 」
前の人のせいだろうな 、あまりにも別れ話が進まなくてイェリも巻き込んで無理やり別れたあの人 .
「 2個下で 、しっかりしてて素敵な人 、だよ ? 」
「 ... 2個下 、まじ ? 会いたいな〜 、、この目で大丈夫なやつか確かめなきゃ 」
二本指でロックオンの印をやるイェリ
「 資格勉強とか忙しそうだしあんまり迷惑かけてもあれかなと思って ... 」
「 最近は会ってないんだ 、? 」
「 二週間ほど 、」
「 前のとは大違いだね 、あのネトスト粘着質野郎 、ガムテープかっつーの 、 」
「 ... 笑 逆にこっちが会いたいもん 」
「 会いたいって言いなよ 、!! 遊ぼうって 、」
「 遊ぼうって言ってくれてるんだけど疲れてるかなと思って断っちゃって 、」
「 は〜?? あなたちゃん ... バカ ... ? 」
「 ... はいっ 、」
「 疲れをチャージするのが恋人でしょ 、寂しくて野垂れ死んじゃったらどうするの 」
ほっぺを摘まれた
うさぎの着ぐるみをきて「 寂しい ... 」と言いながらのたれ死んでいるリノくんを想像したら
ちょっと 、いやかなり面白かった
「 彼女から会いたいって言われたらすっ飛んでいく男じゃないとダメ 、私の面接一次審査で落ちるから 」
「 ... はいっ 、」
「 わがまま 、じゃないかな 、 」
「 わがままじゃない 、!! 二週間空いたら会いたくなるでしょ 、きっとそっちも会いたくてうずうずしてるよ 」
ええぇ ... と言いながらスマホを見る
リノくんは今日はお家で資格勉強をしているらしい
最近バイト代で買った圧力鍋で自炊するのが楽しいと昨日の電話で言っていた
なんか楽しそうで 、息抜きに 、と誘うのも気が引けた
久しぶりの再会も束の間 、
公園のベンチでもう16回目になる本を読んで
スーパーで買い物をして帰った
自炊しようと思って食材を買ったはいいものの急に自炊をする気が失せて
また家を出て呑み屋まで来てしまった
「 日本酒 、ないですか 」
ありますよと言われて出てきたものをちびちびと飲む
厚焼き卵と焼き鳥をつまむ
ちびちびと飲んでいたつもりが 、結局瓶を開けてしまって
気づいたらいつもより飲んでいた
脳みそがぐるぐるとスープのように溶けていく
こういう時に決まって連絡したくなるのは 、彼だ
一人は寂しい
一人の夜はもっと寂しい












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。