『錦木ちゃん!!』
錦木「はいっ!!!」
この子は錦木さくら、2年生のセッターでめっちゃいい子…あとすげぇ上手い。
『なるべく私にトスちょーだい。』
『ブロック付いても破るから』
錦木「はい!!!!」
錦木「はぁぁ……あなたさんかっこいい…いい匂い……」
「1番のサーブ、!!」
「みんな気をつけて、!!」
『そんな怖がんなくてもいいのに…』
タンタンッ…
キュッ
『よっ、』
パァンッ
「え、速、!前、いや、後ろ、!?」
「正面ッ…」
ゴッ…
『やび、…、顔面当っちった…』
「顔面レシーブすんな、!!」
「フォロー!!」
「レフト!!!」
パァンッ
『ほっ』
ダァンッ…
「え、キルブロック…、?」
「あたし、エースなのに、」
『ナァイスキィー〜』
弘幸「ねーちゃん怖ぇ〜」
天城「おぉ〜!!!」
山崎「天城〜???」
天城「あえと、五番の子〜頑張れ〜!!」
五番、??
リベロの…
なんで天城くんに応援されてんの…?
羨ましい……
五番羨ましい……
まじでなんで五番なの?……知らない子応援するより私応援してよ……
『はぁ……腹立つ』
五番「ひ、…」
『(てかまじ、なんで、こいつな訳。)』
五番「(なんで睨まれてんの!?)」
絶対こんな奴より私の方が上手いのに、
「市原中ナイッサー」
五番…羨ましい……
天城くんに応援されるなんて……
『腹立つ…、!!』
錦木「あなたさん!!」
『五番……!!羨ましッい!!!!』
ダァンッ!!!!!
「リベロ!!ちゃんとして!!なんで拾わなかったの!!?」
五番「だって、あの、1番の、高良って人…虎みたいだもん……、獲物を見つけた時の…」
「わかる、すごい怖い……」
そんなこんなで……
1セット目が終了。
市原南 9-25 碧沙
コーチ「積極的に高良にボール集めろ〜。」
1・2年生「はい!!!」
「ッチ……」
『おっほ〜盛大な舌打ち。返事くらいしたらどうなん』
「ッそもそもあんたが!!!」
『わー胸ぐら掴まれた。』
『こんなことしたら内申がパァだよ?』
「ッチ!」
下手くその戯言だァな。
そんなことしてっからいつまでも下手くそなんだよ。
ピーッ
2セット目
着々と点を入れていく。
そして、勝利まであと2点のところで事件は起こった。
あたしだって天城くんにいいとこ見せたい、
応援されたい
しょうがないじゃん
好きになっちゃったんだもん
あたしが
このトスを
カッコよくスパイク決めたら
天城くんは応援してくれるかなあ?
私の手から打たれたそのスパイクは
直線を描き
相手のコートに
スパァァン!!
誰も拾えずに床に落ちた。
きっと
私の人生の中で1番本気で
打ったスパイクだった。
その着地時
ダンッ
ブチッ、
『、!!!!!』
バタァン……
「先輩、!!!!」
弘幸「ねえちゃん!!!!!!」
あれ、何が……
弘幸「ちょ、姉ちゃん、!!大丈夫!?!!どっか怪我は、?!何が、!!」
『おー待て待て落ち着けって…笑』
「横にいたのは先輩でしたよね?またいつもみたいにいじめの一環で突き飛ばしたんじゃないんですか」
「は!?なんで、そんなことしてないし!!」
「信用出来ません。イジメしてた人が信じられると思ってるんですか?」
『あーちょ、その子は……』
「……、……ッ」
『なんもしてないよ。』
『私が着地した時にブチって音鳴ったから多分肉離れ、笑』
「え、でも……」
『まじまじ大まじ』
弘幸「姉ちゃんとりま保健室」
『あーそーね。んじゃあと一点頼んだわー』
「ッ……」
先生「あーーー肉離れだわそれ。」
『あーやっぱ??』
先生「立てないっしょ?」
『それ。まじ立てん。』
弘幸「なんでそんな落ち着いてられんの?」
『いやもうここまでみんなに心配されるとで逆に冷静になるあれだわ。』
先生「あー、映画館で自分より泣いてるやつ見ると涙引っ込むあれな。」
『そーそれ。』
弘幸「逆に怖ぇよ。」
先生「じゃあお母さん呼ぶ?」
『あーー母は今忙しいんで大丈夫です。』
先生「じゃあ代わりに兄呼ぶ?」
『あれはあれで。コレ(彼女)が出来ちまったんで』
先生「うわ相変わらずモテんねぇ」
先生「先生に教えて欲しいわ」
『先生の場合遊びすぎで振られる』
先生「うわ、刺さるーーー」
『程々にしましょ。いつか本当に後ろから刺されますよ』
先生「中坊の癖に怖え事言いやがる」
先生「んまなんでもいいけど、病院はちゃんといけよ。」
先生「で、この書類、病院で書いてもらって。補償手当着くから」
『うぃーす』
先生「高良。」
高良双子「どっち?」
先生「弟の方」
『おー。』
弘幸「何ー?」
先生「頼んだぞー。」
弘幸「うぃーす」
弘幸「ごめん。ちょっと監督たちに話してくるわー」
『りょ。そこ座っとくわー』
あーあ。なんか、最後の部活こうやって終わるとは思わなかったなぁ
『まじ何してんの。私』
天城「あなたちゃん!!」
『へぁ!?!!!あ、あま、あまぎ、く、』
天城「あし、!大丈夫!?!」
『あー多分肉離れだとお、もう……』
わー、なんでこんなに緊張するの!?、!!!
天城「、今日で部活最後って聞いた。」
『……あー、……』
『えと、なんか心配してます??それなら大丈夫です。全然思い入れなかっ……』
天城「じゃあなんで泣いてるん」
『へ、……』
いつの間に、涙が
天城「心配するよ、……そんなの。昨日も寂しそうな顔してた」
『……、』
『…なんで、』
『天城くんはほんとによく気が付くね、』
『ほんとに今はバレーに思入れないんだよね。』
『大好きだったバレーがいつからか苦しくて嫌いなものになっちゃってさ』
『多分、空っぽになっちゃって虚しいなって思っちゃってるんだと思う』
『何してたんだろって。』
『こんなことならもっと他のものに打ち込めば良かったや』
『まじ時間とお金の無駄』
天城「そんな事言わないでよ。」
天城「無駄なんて言わないでよ」
『天城くん??なんで怒って…』
天城「おれ、さっきの試合してたあなたちゃん活き活きしてて、キラキラしてたのみて、すごく楽しそうだなって思った」
天城「あなたちゃんすげー!って。」
天城「すごい技撃つし、すごく高く飛ぶし」
天城「なのに無駄だなんて」
天城「俺の楽しんだ時間、無駄だったの?」
『違、!!』
天城「あなたちゃんがバレー嫌いになったっていい。」
天城「思いれなくたっていい、ほかのことに打ち込めばよかったって後悔してもいい」
天城「でも、バレーやってた時のあなたちゃんを無駄なんて言わないでよ」
天城「ごめん、今日は帰るね」
弘幸「お、……」
弘幸「今の誰??知り合い???」
弘幸「学校にあんな人いたっけ。どこで会ったん」
『…、』
なんで天城くんがそんなこと言うの、
私じゃないのに、バレーやってる訳でもないのに、
『ッ、う、…ッ、グスッ』
『天城くんに分かるわけないじゃんッ、…泣』
弘幸「え、ちょ、姉ちゃん??」
弘幸「なんで泣いてんだよ〜、焦」
弘幸「痛む???」
『心が、……痛い』
弘幸「さっきの人となんかあった??」
こんなことになってても、お兄ちゃんは来ない。
ああ、
この怒りはどこにぶつければいいの
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。