NOside
(陽光が差し込み、赤ん坊化した無惨は塵となり、
消えた。お館様は大粒の涙を溢した。隠たちと
隊士たちは物影から現れ、その様子を
目の当たりした。)
(妹であるくいな様が傍に駆け寄り、
心配そうに、頭を撫でた。)
NOside 終了
悲鳴嶼行冥side
(意識の薄れる中、誰かが悲鳴嶼の手に触れた)
そうだ明日さえ…………来ていれば…………
(悲鳴嶼の見えない目から涙が溢れる)
子供達が悲鳴嶼を抱き締める。
悲鳴嶼は涙を溢しながら、静かに息を引き取った。
隠の一人が脈を取り、涙する。
《※本来なら此処で甘露寺さんと伊黒さんとの
告白が入りますが、生きて頂くため割愛します。
すみません》
悲鳴嶼行冥side 終了
不死川実弥side
(不死川は真っ暗な場所にいた。その先には
白い場所があり、其処には亡くなった不死川の
弟妹達が遊んでいた。黒死牟との戦いで死んだ
始めての弟の玄弥もいた)
玄弥…………皆向こうにいる…………
(不死川が暗闇に向かって声をかける)
(不死川が暗闇から手を掴む。其処には彼の
母親の志津が泣きながら立っていた)
(不死川は優しく微笑んで言う、しかし、志津の
手を掴んでいた不死川の腕をガッと誰かが
掴んだ。)
(それは不死川の父親だった。彼は志津の
手首を掴み、息子の不死川を突き放した)
(暗闇に落ちて行く不死川に淡々と告げる父親)
(泣く志津を抱き締めながら父親はそう言った。
それを聞き終えたと同時に不死川は目覚めた)
不死川実弥side 終了
冨岡義勇side
ゲフッ(伊之助が吐血した音)
隠が俺の前に出て、何かを隠すように
焦って言った。そして、俺は大きく目を見開いた。
俺の視界に二人の姿が目に入ったからだ。
其処には両側で泣く隠たち。そして、折れた刀を
持ったままうつむき、座り込んだ炭治郎と
炭治郎の隣にもたれ掛かり、光の消えた瞳をし、
真っ白な髪が赤い血に染まったあなたがいた。
その傍に座り込んで、脈を取っている隠たち。
ニッコリと笑う炭治郎。柔らかく微笑み、
俺の名を嬉しそうに呼ぶあなた。思い出せば、
思い出す程、涙が溢れてきた。静かに近づき、
あなたの光を失った赤と青の瞳を閉じさせ、
炭治郎の手に俺の手を置いた。そしてうつむき、
涙した。