第44話

初夜編
2,076
2023/10/31 21:21


  私が赤髪海賊団の元でお世話になって

  随分と時間が経った



  みんな、こんな見ず知らずの私に

  気軽に話しかけてくれたり 、

  優しく接してくれたり 、

  良くしてくれている 。





  ご飯も3食食べれて 、

  寝床も貰えて



  多分こんないい所 、ここ以外にないと思う




  これ以上何を求めるのか






  ただ1つ











  「 平和 」 である







  四皇の船と言えど 、


  命知らずの怖い顔したバカが

  毎日のように 、襲いかかってくる




  私は非戦闘員だから 、戦闘が始まったら


  隠れるんだけど 、



  大丈夫 。みんな強いから大丈夫 。




  そう思っても 、やっぱり不安はついてくるもので





  みんな強い 。知ってるけど


  痛いのは嫌だし 、苦しいのは嫌 。



  海賊なら、死に方は絶対選べない





  それは嫌だ 。


  でも、こんな私に優しくしてくれて

  良くしてくれるみんなを裏切ることなんか

  出来ないなぁ なんて、考えていると


  随分と時間がたってしまった




  ある日 、私は1人で島におりて、酒を嗜んでいた






モブ
 ねぇ 、一緒にいいかな 


  そう言って 、男の人は声をかけてきた


モブ
 お姉さんって、
 この島の人じゃないよね 
あなた
 あぁ 、はい 。 
モブ
 だよね 〜
 君みたいに可愛い人がいたら 
 噂になってるはずだもんね
モブ
 どこから来たの ? 


  さすがに四皇の船に乗ってますなんて

  いえなくて 、


あなた
 商船で、ちょっとここまで 、 
モブ
 嘘だね
 お姉さん 、赤髪海賊団のひとでしょ 
あなた
 な、んで、それを 、、、 






モブ
 ねぇ 









モブ
 僕と一緒に逃げよう 


あなた
 え、、 ? 





モブ
 君だって 、不安なんでしょ ? 
モブ
 いつ死ぬかも分からない 、
 どんな死に方をするのかさえも 







モブ
 だったら僕と一緒に逃げよう 
モブ
 僕なら君とどこまでも一緒に行ける 


あなた
 ま、って 、 


モブ
 大丈夫 。職も、住居も一緒に探そう 








  私からしたら 、それは命の手網だった

  赤髪海賊団を裏切るつもりなんかない


  でも 、私が心の底から 平和を求めてるのも

  嘘じゃない




  そんな私からしたら 、これは夢のような提案で

  ずっと求めていた 、夢のようなものだ





  私はその人の手を取ってしまった


モブ
 今夜もう一度ここで会おう 






プリ小説オーディオドラマ