第6話

4話
49
2023/08/29 00:08




凛「またやってんのかよ、コレ。」
あたかも「前から居ましたけど」と言うようにリビングで、
テレビのリモコン持つ弟にため息を吐きながら、テレビに目を向ける。
テレビに映るのは、演劇のステージのようなオークション会場。
毎週水曜日、この時間帯には『亜人オークション』が開催される。
皆が想像する、オークションで合っていると思う。
大体の亜人を落札するのは、【プロジェクト・サーヴァント】の奴ら。
何をしているのかは全く公表していない。
《さぁ、最終落札です!今週の目玉商品ですよ!!》
確かに、もう三時近くになる。もうすぐでこの番組も終わりだ。
《「カンナカムイ」と「フェンリル」の混血亜人です!スタート価格は3億です!!》
明るい司会者とは裏腹に、あなたの冴がつけた名前のような暗い目をした水色の髪の少年が
首輪を付けられ、リードで引っ張られていた。
抵抗する気力さえ、無くしているのだろう。
《5億!
         10億!
       12億!!
                            20億!!!》
冴「20億…」
想像もできない金額がサラッと出てくる会場は、一般人には末恐ろしい。
あなたの冴がつけた名前『あ。』
さっきまで眠っていたあなたの冴がつけた名前が目を覚ました。
あなたの冴がつけた名前『羊!』
あなたの冴がつけた名前が名前?を叫んだ時、画面の向こうの水色の髪をした少年がなにかに気付いた。
彼の目に光が灯る。

刹那。
画面の奥で電撃がほとばしる。
一瞬でカメラに向かってこう続ける少年。
《逢いに行くよ、タマモちゃん。》
誰かを呼んで、また消えた。
凛「急に暴れだしたな。なんだアイツ、」
あなたの冴がつけた名前『羊はカンナカムイとフェンリルの亜人。能力の相性がいい。』
冴「んでお前がそんなこと知ってんだ。」
頭に浮かんだ質問を率直に聞くと、あなたの冴がつけた名前は…
あなたの冴がつけた名前『だって…


実験施設の頃からの友達。だから。』
冴「…?」
だとしたら…まさか…
凛「待てよ、混血亜人を作る計画ではほぼ神や幻獣のDNAしか使わないはずだ。
  普通の動物じゃ、圧倒的に戦力が足りないから…
  同じ実験施設に居たってことは…お前…」
凛も気付いたようだ。あなたの冴がつけた名前が隠していた事実に。
冴「本当なんだな…?あなたの冴がつけた名前…」
あなたの冴がつけた名前『…はい。』














あなたの冴がつけた名前『「玉藻前」と「猫又」のDNAを持った混血亜人…まさに私のこと。』

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