澤村 side
東峰「寒っ…。最近だいぶ寒くなってきたな〜…」
菅原「あ、なぁ〜…大地。藤原さんと仲良いべ〜、よく一緒に話してるじゃん?」
東峰「えっ!?ちょっ……俺の話、無視されんの?!」
部活終わり____________
この時間になるとすっかり日は落ち、辺りは暗くなる。少しずつだが、冬が近付いている事を感じさせる
坂ノ下商店までの途中、スガが藤原の話題を出してきた
藤原は俺たちが高校に入学してから、少しズレたタイミングで転入してきた
同じクラスでありながら最初は話した事は無かったが、藤原が苦手だった勉強を教えたのがきっかけでメールをやり取りするようになり……
あれから5ヶ月____________
今ではクラスの女子の中で1番と言っても過言ではない程、よく話をする仲だ
"さん"付けだった呼び名も、今ではすっかり呼び捨てで呼んでいる
そして密かに……藤原と"仲が良い"というのは俺の自惚れではない____________と思っている
が、スガや旭にそんな事は悟られないように……話をサラリと受け流す
澤村「ん〜……。そうか?」
菅原「そう言えば……なんかさぁ、サッカー部の先輩が藤原さんに告白したって噂があんだよな〜
大地知ってる?」
澤村「へっ?あ、えーっと………いや、聞いたことないな」
____________?!いやいやいや!知らん!知らん!そんな話、全く聞いたことないぞ!!
俺の気持ちは一気に焦り出す。顔が引きつるのがわかる
そんな俺の焦りを全く気にする事なく、スガは喋り続ける
菅原「あ、別に俺が藤原さんの事好きとかじゃねーべ〜
でも確かに藤原さん美人だもんな〜
他にも1年の他のクラスのヤツに告白されたって噂聞いたことあんべ〜」
東峰「あ、それなら俺も聞いたことあるなー
藤原さんってスガと大地と同じクラスの子だろ?
確かに美人だなー」
スガと旭が話す内容に適当に返事をしながら
俺の頭の中には
さっきのスガの言葉が繰り返し流れていた
____________サッカー部の先輩が藤原に告白した………!?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。