私は走って彼の背中に呼びかける
勝己は止まって、その鋭い目でこちらを見据えた
勝己はどこか…自分に暗示をかけているようにも見えて。
私は降参した。
勝己は自身の携帯を操作し、光己さんに私が一緒に行くのを伝えたようだった
言葉はキツイけど…私の前ではマシな方か。
いっつもは出久とかによく突っかかってるしな
ウチはもともと、とても仲のいい家族だった。
でも、家族みんなで出かけた時、母さんが敵に襲われた。
たくさんのヒーローが来たけど、もう手遅れで。
彼女はものすごく静かに、死んでいった。
だから私は…
ヒーローになりたいんだ!!
父親も転勤ばかりで、私に構う暇なんか無かった。
そんな時にいつも気にかけていてくれたのが、光己さんと勝己だ。
2人には、本当に感謝してる。
勝己は怒鳴ろうとしたが、私の表情を見て察したらしい。
…マジで、ありがと
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。