世界全体が、白い光に包まれる。
そして次の瞬間、眼前に広がっていたのは―
…木漏れ日が差し込み、柔らかな緑が溢れる…
―いつも通りの、幻想郷だった。
湧き上がる歓声、手を取り合って喜ぶ少年少女達、そしていつも通りの…幻想郷。
13人、全員揃っている。今までと変わらぬ姿のまま。
自らの命は脅かされず、また今日も明日も…この最高の仲間達と、世界を歩んでいける。
此れは、決して偽りではない。世界を愛する少年少女達が呼び寄せた―最初で最後の奇跡なのだ。
「―お疲れ、霊夢」
そこでふと、静寂が訪れた。
風が頬を撫で、自然の匂いが一帯に漂っている。
すぐ近くで仲間達が騒いでいる筈なのに、何故か耳には入ってこなくて。
1時間前まで激闘を繰り広げていた少年少女達が、今は楽しそうに笑いあっていて。
“奇跡”による喜びを、噛みしめて、感謝して…
この面子が仲間で本当に良かったという気持ちが、改めてこみ上げてくる。
再び訪れた「幸せ」。
そんな状況下で、頭に浮かんだのは…
―嘗ての想い人が放った、一つの言葉だった。
キラは、風が心地よく頬を撫でる草原で体勢を起こす。
そして、座ったまま目を丸くする晴に優しく笑いかけた。


「―I love you!」
「…!」
「…」

「…Me Too!」
次回
『何でお前ら幻想郷同士で戦争してんの!?』
―最終回。










































編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!