第43話

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2025/10/13 11:00 更新




 里に任務で訪れてから数日。



 鬼を討ったあとの静けさが、
 少しだけ夢のように感じられていた。
里の人
ありがとな、夜咲さん。あんたたちが来てくれなかったら……


 感謝の言葉を伝える里の人々に頭を下げながら、
 ふと横目で不死川を見る。




 無骨な背中、誰よりも傷だらけの腕。



 
 その姿を見ているだけで、
 胸の奥がじんわりと温かくなった。


あなた
( あぁ、やっぱりこの人が好きだ。)



 それはもう“推し”とかじゃない。






 呼吸するたびに思い出してしまう。







 誰よりも優しく、誰よりも強いその横顔を。
















 その日、里の人に勧められて
 珍しく着物を借りることになった。





 淡い藤色の生地に、月影の模様。













不死川 実弥
…たまには悪くねぇな



 細い路地を歩いていたとき、
 ふいに裾がひらりとめくれ上がる。










あなた
っ、うわ──




 慌てて押さえようとした瞬間、
 背後から不死川の手が伸びた。






 その手は素早く、けれど驚くほど丁寧に
 あなたの下の名前の着物の紐を結び直す。







 指先がうなじのあたりにふれて、息が止まる。









不死川 実弥
……無防備すぎんだよ




あなた
そ、そんなつもりじゃ──



 距離が近い。





 いつもの鋭い眼差しなのに、どこか優しく見えて。






 その距離で、心臓が暴れ出す。
不死川 実弥
……まったく。こんな顔、見られたらどうすんだ










あなた
……え?











不死川 実弥
惚れられでもしたら、困るだろ






あなた
…っ//
















不死川 実弥
……大事にしたいと思う奴にしか、こんなことしねぇから






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