おさでいが、楽屋の隅っこで声をひそめた。
視線の先には、ソファーに並んで座る二人。
だいきりがたちばなのスマホ覗き込み、肩が触れそうなくらい寄っている。
やなとがにやけて手帳を取り出す。
中身は"だいばな観測記録"。
ゆたも隣からひょこっと顔を出し
とテンション高め。
――そう、俺たちは気付いてしまったのだ。
推しカプ"だいばな"が、日常的に供給してくることを。
一応ツッコむのは白色担当のにしき。
彼はクールイケボとして活動しているが、この腐男子観測チームの一員になった以上、冷静ぶっても無駄。
らおがスマホとカシャリと構え、観測写真をコレクションに追加する。
ゆたがやけに真剣な顔で分析している。
――まるでファン掲示板のスレッド。
だが、これがすにすて楽屋の日常になりつつある
おさでいが、ふと真顔で言った。
一瞬、空気が止まった。
「いやいやww」
「まさかww」
「んなわけw」
「それは夢見すぎww」
笑って誤魔化すけど、誰の心にも"もしも"の文字がよぎっていた。
そして当の二人はというと――。
笑い合いながら、自然に手が重なってる。
俺ら腐男子観測チームは、まだ気づいていない。
この供給が"ネタ"なんかじゃかく、"事実"であることに。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。