第32話

32話
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2023/07/10 11:08 更新
組員・綾石
じっとしてて
あなた
えっ?
驚くあなたを他所に、腕を掴んでぐっと側に寄せたかと思うと、綾石があなたの首筋に顔を埋めた
綾石の髪が当たってるその擽ったさから身を捩ろうとしたが、ガッチリ掴まれて身動きがとれなかった
あなた
あ、の…
我慢できずにあなたが言葉を口にすると同時に綾石が首から離れた
組員・綾石
んーまぁいっかこれで
あなた
状況が掴めなくて困るあなただが、綾石は何食わぬ顔で飄々としている。そして、そのまま上機嫌で部屋から出て行った。
あなた
???
綾石の突然の行動に、ずっと頭が"?"のあなただった
 

今日は皆が特に何も用事が無いせいか、ほとんど人が事務作業をしていた。まぁ戦闘が主な人たちはしてないけど。だからか訪ねてくる人もいず、ぼーっとする時間が多かった。そんな時、小林が訪ねてきた。
小林
あなたー
あなた
あぁ…小林さん!どうしたんですか?
小林
ちょっと寝に来ただけ……んー?
小林が立ち止まり、どうしたものかと思っていると急に小林の目が鋭くなった。途端にいつもの笑顔が消えてソファに座ってるあなたに近づき、両腕を掴まれ押し倒された。
あなた
えっ…こ、小林さ
小林
誰に付けられた
あなたが小林の名前を言い終わる前に言葉を遮った。上から冷たい目で見下される恐怖に震えると、さらに小林の怒りが上がった気がした。
あなた
付けられたって何のこと…
小林
とぼけんじゃねぇ…首に付いてるだろ
あなた
く、首?
本気で分からないと言った顔をしたあなたを見て、小林が上から退いた。
小林
………じゃあお前の首に顔近づけた
やつとかいるー?
あなた
え、えっと…綾石さん…ですかね?
小林
あー、あいつかー
小林
ちょっと行ってくるー
またいつもの笑顔で部屋を出て行った小林に、結局何だったのかを聞き逃してまた頭に"?"だけが残った。




部屋から出た小林は綾石を探していた。
ふと喫煙所になっているベランダを見ると、綾石が煙草を吸っていた。
小林
……
小林は無言で窓を開け、綾石に近寄った。
組員・綾石
あれ、小林の兄貴?煙草吸いましたっけ
綾石の言葉に耳を傾けず、小林は綾石の胸ぐらを掴んだ。そして怒りを含んだ目で綾石を捉え、口を開いた。
小林
お前か…あいつの首に跡付けたやつ
組員・綾石
……何のことですか?
小林
分かってんだろ、あなたの首にあった
組員・綾石
虫刺され…とかじゃないですか?
ていうかいい加減離してくださいよ
虫刺されという単語を聞いて小林は、パッと手を離した。
さっきまでの怒りは薄れているように見える。
小林
虫刺されー?
組員・綾石
そーそ、最近多くなってきましたし…
じゃあ俺行くんで
そう言って煙草の火を消してベランダから出ていく綾石と何か違うといった感じで悩んでいる小林も続いて出た。



組員・綾石
絶対にあなたちゃんは渡しませんから
小さな声でボソッと綾石が呟いたが、小林には何も聞こえていなかった。

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