小林が行ったことでまた暇になってしまい、あなたはベッドでゴロゴロしていた。
基本的にあなた自ら組の皆のところへ行くことはないし、行っても邪魔になるだけなので誰かが来るのを待つしか無い。娯楽がないあなたにとってあまりにも退屈な時間だった。
そう思って首を擦るが何もない。部屋に鏡は無いので、トイレへ行くついでに鏡で見てみようと部屋から出て行った。
部屋を出るとすぐに小峠にばったり出会った。
ちょうど良いと思い、小峠に確認してもらうことにした。
そういうと小峠は私の首元を見てくれた。が、見た途端焦った顔をして私の肩を掴み揺さぶった。
そう言うと小峠は一旦冷静になり、揺するのを辞めてくれた。
小峠自身のスマホを取り出してあなたの首をカメラで撮って見せた。
小峠は今にもスマホを握りつぶしそうなほど怒っている様子だった。
小峠はスタスタとどこかへ行ってしまい、あなたはまた一人になった。
ぽつんと取り残されたあなたはトイレに行こうとしてたことを思い出し、また歩き出した。
あなたは一人、トイレの鏡の前でため息を付いていた。
施設にいた頃を思い出す。
あの頃は殴られ蹴られの暴行をたくさん受けて誰かのストレス発散用具になっていた。それはまるで、自分の所有物であるかのような扱いだった。
それを思い出させるような首にあるキスマークとやらをあなたは早く消してしまいたかった。
他の組員とばったりトイレで合ってしまったなんて気まず過ぎると思い、さっさと出ようとした…が、誰かがこちらに向かってくる足音であなたは出れなくなった。
あなたは咄嗟にトイレの個室に入り、人がいなくなるのを待つことにした。
鼻歌を歌っている声に聞き覚えがあり、記憶を探ってみれば綾石という答えにたどり着いた。
何やら怒っている小峠が入ってきた
ドア1枚隔てた先にいる小峠にあなたは少し怯えていた。今まであんな低く恐ろしい声色をした小峠を知らないからだ
心の中であなたは嘆いた。
あなたはぶわっと顔が熱くなるのを感じた。
混乱しているあなたの頭の中は好きという単語でいっぱいだった。
あなたはしゃがんで頭を抱えた。今は茹でダコのようになっているこの顔を、人に見せられはしないだろう。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。