第15話

サイン会4
3,399
2022/07/02 15:24 更新
あなたside


前回のサイン会を終えてずっと考えた。


不審がられないように9人の活動を追いながら、でもそれでも私は終わりに近づいてると感じていた。


これからどうしていくべきなのか。


本当は自分の中で答えが出ているのに逃げ続けていた。


でもやっと答えと向き合うことが出来る気がする。









TWICEの人気は留まるところを知らず伸び続けていく。


出待ちも昔では信じられないほどになったしイベント事もだいぶ積まないと参加できなくなった。


間違いなくトップアイドルと言っていいレベル。


私は15万円をかけてサイン会への切符を掴んだ。


この切符は今までの中で一番大事なものになる。








目を閉じて息を吸ってゆっくり吐いて、私はきっと最後になるこの場所に足を踏み入れた。









ジヒョ
ジヒョ
안녕하세요~!!!!!


ジヒョちゃんの大きな声が響き渡ってメンバーたちが入ってくる。


相も変わらず私の推しは私を見つけると嬉しそうな顔をして手を振ってくれる。


罪深い子だよね、本当に。


私は今日一押しのプレゼントをみんなに持ってきた。


いつも袋は大きい方だと思うけど今回はいつもよりもっとパンパン。


サナちゃんがそんな私を見て少しだけ不安げな顔をした。


あの子は鋭い子だからな...


自分の順番が来るまで定点カメラを回しながら目にメンバーたちを焼きつける。


幸いなことに今日は日本人メンバー同士で隣に並んでいないから日本語で話せば会話が周りに漏れることは無い。

ジョンヨン
ジョンヨン
今日の相談は〜?


1番目のジョンヨンちゃんは私が席に着く前にもういつものように声をかけてきた。

あなた
今日はないよ~(笑)
それよりジョンヨンオンニに
いつものお礼をしようと思ってさ?


そう言って私はジョンヨンオンニに赤薔薇の花束を渡す。

ジョンヨン
ジョンヨン
え、なに、急にロマンチックじゃん。
あなた
ジョンヨンちゃんには赤薔薇が似合うと思って
ほらほかのonceも喜びそうだからさ?
ジョンヨン
ジョンヨン
あなたにしては珍しい粋なことするねぇ〜
あなた
珍しいって酷いなぁ、!!
ほら、いっぱいこれ使ってサービスしてね?
ジョンヨン
ジョンヨン
お礼って言うより要求じゃんかそれ!!(笑)
あなた
ごめんごめん、(笑)
でも感謝の気持ちは本心だよ、ありがとう。
ジョンヨン
ジョンヨン
いつも優しくしてたかいがあったなぁ~(笑)


そう言ってニコニコ笑うジョンヨンちゃんは可愛くもありかっこよくもあり、何も言えないまま終わってしまうのが寂しくて、溢れ出そうになる思いをこらえるのに必死だった。


改めて思う、ミナが前半じゃなくてよかった...


後ろにいてくれれば気持ちを作ることができるから。

ツウィ
ツウィ
あなたさん赤薔薇なんてオシャレですね〜
あなた
あ、みてたの~?
ツウィ
ツウィ
もちろん見てましたよぉ〜ㅎㅎ
と言うよりみんな大注目でしたよ?
あなた
ええ、恥ずかしいな...(笑)
ツウィ
ツウィ
私にもプレゼントありますか?


ツウィちゃんはプレゼントに関していつもあまり言及するほうではないから思わぬ発言にびっくりして、いつもと違うことが終わりを告げる合図のように聞こえた。

あなた
も、もちろん、!!あるよ!!


私はそう言って天使セットを取りだした。

ツウィ
ツウィ
天使のはねと天使の輪っかですか?
あなた
ツウィちゃんは天使みたいだからさ?
きっとよく似合うと思って買ったの〜
ツウィ
ツウィ
あなたさんには見えませんか?
あなた
え、なにが、?
ツウィ
ツウィ
羽見えませんか、?もう着いてるんですけど...


そう言ってツウィちゃんは私の顔をしたから覗き込んできた、なんだこれ、犯罪だろ。

あなた
み、みえてる...!!ごめん、!見えてるよ、!


私があたふたしながら答えているのに対してツウィちゃんは満足気にふふふと笑った。


いつからこんな上級テクニックの愛嬌を覚えたんだろうか、大人になったなぁ。

ツウィ
ツウィ
嘘です、嬉しいです。ありがとうございます。
これ、つけてもいいですか?
あなた
もちろんもちろん!!写真たくさん撮らせてね??
ツウィ
ツウィ
あなたさん今日は写真好きですねぇ〜


ツウィちゃんにからかわれつつも次の席へと進む、なんだか今日はメンバーに振り回されている気がする。


逆に言えばそのおかげで少し緊張もほぐれてきている。

モモ
モモ
あなた〜!会いたかったで〜!!!
なんか今日は一段とプレゼントすごない!?
あなた
今日はなんか奮発しちゃった!!(笑)
モモ
モモ
モモには何くれるん〜?
あなた
なんだと思う〜??


私はそう言って"じゃじゃーん"とサリーのリュックとブーのぬいぐるみを取りだした。

あなた
モンスターズインクセットです!!!!!!


私が取り出すや否やモモちゃんは目をキラキラと輝かせながら"早くちょうだい!!早くちょうだい!!"と手を伸ばしている。


子供みたいでたまらなく可愛い。

あなた
はいどうぞっ
モモ
モモ
ほんま、!?ほんまにくれるん!?
あなた
もちろん!!
モモ
モモ
うわぁ〜!!ありがとう!!


モモちゃんはすっかり私のことを忘れてサリーのリュックを背負うとマネージャーさんを呼んで自慢しながらブーを後ろに入れてとせがんでいた。

あなた
モモちゃん〜みんなブーとモモちゃんのこと
見たいはずだから後で入れてあげたらどう?
まずは一緒に遊んであげてよ〜
モモ
モモ
ほんまやなぁ、!!ぶーとあそぶ!!
モモ
モモ
ブーの似顔絵も書いとくなぁ〜?


モモちゃんはそう言ってスタッフさんの言葉も無視して私のアルバムに可愛いブーの絵を書いてくれた。

あなた
かわいいねぇ、ありがとう!
モモ
モモ
こんな素敵なプレゼントありがとう!
次の時はもっともっと話そなぁ〜??


はしゃぎすぎてひとり走りしたことを後悔したのか少しだけしょぼんとした様子でモモちゃんは私に挨拶した。


しょぼんとさせたまま次を約束できないことが悲しくて私は微笑んだだけだった。

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