第15話

キョンシーが十三人
342
2025/04/22 11:00 更新
  、、 ? 



 どうにかしてあなたと話したくて
 あなたの家の前で待っていた頃


 だんだんポツポツと冷たい水が俺の頬を伝った


 雨やんか … 



 あいにく傘は持ってきていない

 とにかく雨宿りできる所 … と
 あなたの家の斜向かいの店の軒下にお邪魔した



 少し雨脚が強まったとき、 男があなたの家から
 出てきた


 そして俺の前を通り過ぎる


 ( 読心 ) 



 とある宝石商から貰った奪った魔術のこもった
 宝石を握りながらそう唱えると
 男の心の中が手を取るように分かる


 ( 珍しいな、 嬢ちゃんが
   不機嫌だなんて …  ) 
 ( ま、 触らぬ神になんとやら ) 



 そこまで聞いてホッと一息をつく


 あなたに危害を与えたようなやつなら
 さっさと殺そうかと考えていたがそうならなくて
 良かった




 そこからまた、 数分待っていると
 チリンと軽快な音がして扉が開く


 あなたは俺に気が付かず、 
 暫くぼーっと空を眺めていた

 軽く手を振って微笑む
 名前を呼ぼうとすると、顔を歪めて
 店に入ってしまった



 ぁ、 … 



 伸ばした手の行き場がなくなり
 力なくおろす



 店の扉に人影が映り、 あなたが
 寄りかかっているのがわかった


 … はぁ、、 

 帰ろうかと引き返すと、 
 ドサッと何処からか音がした


 まさか、 と思いあなたの家の前の扉へ向かい
 軽く中をのぞくが誰もいない


 またため息をついて視線を下へ向けると ____


 なっ、 あなた !? 



 幸い扉に鍵はかかっておらず引き戸だったため
 あなたに当たる心配もなく扉は
 開けられた


 中にはあなたがはいてしまったであろう吐瀉物と
 ぐったりと倒れたあなたがいた


 あなた、 あなたッ ! 



 慌てて駆け寄って抱き上げる


 青白い顔で、 軽く過呼吸を起こしていた




 背中をさすりながら家の中へ入る

 畳に寝かせると、 先ほどよりは落ち着いたようで
 呼吸は規則正しいものへと変わっていた


 辞めてやほんま … 



 ホッと一息ついたのも束の間

 そういえば勝手に家に入ってるやん
 と我に返り、 慌てて家を出た

 雨脚はさらに強くなって、
 100m先も見えないほどだった


 帰るかぁ … 



 あいにく傘を持っていなかったから、
 俺はびしょ濡れになる覚悟をして雨の中へ
 飛び出した


 … 



 雨に打たれながら、 俺は熟考する


 ……… やはり本当のことをあなたに話すべきなのか


 でも、 そんな事言ったら … ッ 



 フラフラと路地裏に入る

 雨が降り、 ネオンに輝く街と反して
 俺の目はどれだけドス黒いんだろう



 帽子を深くかぶって、 人の目線から逃れるように
 路地裏にうずくまる


 あぁ、 俺って 
 駄目駄目やなぁ …… 笑 



 俺はそのまま眠りについてしまった


プリ小説オーディオドラマ