第41話

晩夏
1,097
2025/03/09 12:00 更新
帰り道
時透 無一郎
時透 無一郎
ね、あなたの下の名前?
(なまえ)
あなた
ん?
時透 無一郎
時透 無一郎
今日、うち泊まらない?今日俺一人なんだ。兄さんは友達の家泊まって両親はどっちも夜勤だから
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
ちょっと話したくて
(なまえ)
あなた
…わかった、お母さんに言っとく
スマホを取りだし母に連絡した





時透宅
(なまえ)
あなた
話ってなに?
時透 無一郎
時透 無一郎
最近、なんか元気なくない?
(なまえ)
あなた
そう?私は至って普通だよ
時透 無一郎
時透 無一郎
時透 無一郎
時透 無一郎
やだ、話して。なに、何隠してんの
(なまえ)
あなた
な、何も隠してないよ
時透 無一郎
時透 無一郎
体育祭、走りたくないってこと…関係ある?
(なまえ)
あなた
な、ないよ
(なまえ)
あなた
だから、何も隠してなんか…
時透 無一郎
時透 無一郎
それとも小5とき、あなたの下の名前が虐められてたこと?
(なまえ)
あなた
へ…………
(なまえ)
あなた
な!なんで…!
(なまえ)
あなた
…知ってんの…
時透 無一郎
時透 無一郎
何年見てきたと思ってんの
時透 無一郎
時透 無一郎
僕ずっと気づいてたよ
時透 無一郎
時透 無一郎
あなたの下の名前が帰り道に男子2人から集中的に虐められてたの
時透 無一郎
時透 無一郎
止められなくて悔しい思いした。僕
時透 無一郎
時透 無一郎
情けないって思った
時透 無一郎
時透 無一郎
何回もやめろって言ったんだ
時透 無一郎
時透 無一郎
でもやめてくれなかった
時透 無一郎
時透 無一郎
初めて、あなたの下の名前が虐められてるところ見た次の日あなたの下の名前は当たり前のように笑ってた
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
ずっと無理してたよね
時透 無一郎
時透 無一郎
小6のときアイツらとクラス離れたでしょ?
(なまえ)
あなた
う、うん
時透 無一郎
時透 無一郎
僕が先生に言ったんだよ
確か、小6からずっとむいくんと登下校…してたっけ
時透 無一郎
時透 無一郎
ねぇ、話して。何があったの?他にも…多分あるんでしょ?
(なまえ)
あなた
……っ
時透 無一郎
時透 無一郎
お願い
(なまえ)
あなた
…目立ちたくて目立ってたわけじゃない……
時透 無一郎
時透 無一郎
うん
(なまえ)
あなた
妬まれて、虐められちゃったんだ、私
(なまえ)
あなた
だからもう目立つものからは離れたいの
(なまえ)
あなた
リレーなんて、体育祭の目玉でしかない
(なまえ)
あなた
中学校生活、平和に過ごしたいの、私は
(なまえ)
あなた
また変に目立って妬まれて虐められたりしたらさぁ
(なまえ)
あなた
全部嫌になっちゃいそうで…
時透 無一郎
時透 無一郎
……
(なまえ)
あなた
それに、せっかく皆の親が見に来てるならその子の出番増やしてあげたいしさ?
時透 無一郎
時透 無一郎
それは、あなたの下の名前も同じじゃない?
(なまえ)
あなた
私のお母さんとお父さんが来てる理由は
(なまえ)
あなた
蓮を応援するためだけだよ
時透 無一郎
時透 無一郎
!?
(なまえ)
あなた
私を応援しにきてるわけじゃない
時透 無一郎
時透 無一郎
え…
時透 無一郎
時透 無一郎
ちょ、ちょっと待ってどういうこと?
(なまえ)
あなた
…本当は内緒っていう約束なんだけどね…
(なまえ)
あなた
……
時透 無一郎
時透 無一郎
(なまえ)
あなた
私と蓮、血が繋がった姉弟じゃないんだ〜…
時透 無一郎
時透 無一郎
…え?
(なまえ)
あなた
まぁ、半分?は繋がってるんだけど
(なまえ)
あなた
母親が同じで…まぁいわゆる…異父姉弟かな
(なまえ)
あなた
私の本当のお父さんは私が産まれる前に死んじゃって
(なまえ)
あなた
むいくんも見たことある、今のお父さんは蓮の実父
(なまえ)
あなた
私の血の繋がった父じゃない
(なまえ)
あなた
毎日のようにどこかで気を遣われてる感じが気持ち悪くて…
(なまえ)
あなた
どこかで蓮を嫉妬してる自分が嫌になっt…
ギュッ…
(なまえ)
あなた
むいくんは静かに抱きしめた
(なまえ)
あなた
どーしたの〜?甘えん坊さんか〜?
時透 無一郎
時透 無一郎
むいくんは私の顔を見て話した
時透 無一郎
時透 無一郎
辛そうだから
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
今にもどこか行っちゃいけない遠くのところに行きそうだなぁ…って
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
……
(なまえ)
あなた
……この14年が経って…
(なまえ)
あなた
私は『愛』がなにかよくわかんなくなっちゃっただけ
時透 無一郎
時透 無一郎
ッ…
(なまえ)
あなた
愛された記憶が、前世の記憶が、薄れてる…のかもね
(なまえ)
あなた
それこそ、この世に私の存在は必要かって思うことだってある。世の中にはもっと大変な人がいてさ
(なまえ)
あなた
…私は贅沢者だなぁ
時透 無一郎
時透 無一郎
…気づいてあげられなくて…ごめん
(なまえ)
あなた
ううん、私は大丈夫だから
(なまえ)
あなた
大…丈夫……だか…らッ…
時透 無一郎
時透 無一郎
僕は
時透 無一郎
時透 無一郎
嘘の大丈夫が聴きたくて謝ってるわけじゃない
(なまえ)
あなた
(なまえ)
あなた
ごめn……
時透 無一郎
時透 無一郎
謝らせたい訳でもない
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
ただ、君が頼れる相手になれなかったことに謝っているんだ…だから…
時透 無一郎
時透 無一郎
だから…頼ってよ
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
自分の気持ちは自分にしか分からないんだから…だから…話して?
時透 無一郎
時透 無一郎
辛いなら苦しいなら…
時透 無一郎
時透 無一郎
あなたの下の名前が壊れるなんて僕は耐えられない……!
時透 無一郎
時透 無一郎
『愛』を忘れたなら僕がまた君に『愛情』を零さないように注ぐ…!
(なまえ)
あなた
ッ…!
時透 無一郎
時透 無一郎
だから、自分を嫌いにならないで
時透 無一郎
時透 無一郎
必要だよ?誰も君を必要としなくても僕が必要とする
時透 無一郎
時透 無一郎
…っていうか自分の存在の必要性とか…考えないでよ
そっと抱きしめてくれた温もりに耐えられなくて
抑えていた涙が出た
(なまえ)
あなた
……ありがと……
きっと私の心はとっくに限界を迎えていたらしい
時透 無一郎
時透 無一郎
うん……
泣く私をむいくんはずっと背中をさすってくれた











時透 無一郎
時透 無一郎
落ち着いた?
(なまえ)
あなた
…うん、ありがと、むいくん
時透 無一郎
時透 無一郎
よし!じゃあなにか晩御飯頼も!
(なまえ)
あなた
うん!








その日、私たちは楽しく一日を終えた
それから数日
体育祭当日
(なまえ)
あなた
……
(なまえ)
あなた
ねぇ、お母さん、お父さん
お母さん
お母さん
どうしたの?
お父さん
(なまえ)
あなた
時透 無一郎
時透 無一郎
『自分の気持ちは自分にしか分からないんだから』
(なまえ)
あなた
その…今日の体育祭
(なまえ)
あなた
私の出る競技……しっかり見てて欲しい…な
お母さん
(なまえ)
あなた
……
お母さん
…お母さん、あなたの下の名前の優しさに甘えてたわ
お母さん
ごめんねぇ、今まで蓮ばっかりだったもんねぇ
お母さんがそっと抱きしめた
(なまえ)
あなた
お父さん
大丈夫、しっかり見ておくよ
(なまえ)
あなた
…うん!
宝生 蓮
んー?何の話してんの〜?
ピンポーン
(なまえ)
あなた
あ、行ってくる!
お母さん
行ってらっしゃーい
ガチャン
宝生 蓮
ねぇ、何の話?
お母さん
あなたの下の名前が甘えてくれたって話 ニコ






時透 無一郎
時透 無一郎
どう?言えた?
(なまえ)
あなた
うん!バッチリ! ニコ
時透 無一郎
時透 無一郎
なら良かったよ

プリ小説オーディオドラマ