帰り道

時透 無一郎
ね、あなたの下の名前?

あなた
ん?

時透 無一郎
今日、うち泊まらない?今日俺一人なんだ。兄さんは友達の家泊まって両親はどっちも夜勤だから

あなた
え

時透 無一郎
ちょっと話したくて

あなた
…わかった、お母さんに言っとく
スマホを取りだし母に連絡した
時透宅

あなた
話ってなに?

時透 無一郎
最近、なんか元気なくない?

あなた
そう?私は至って普通だよ

時透 無一郎
…

時透 無一郎
やだ、話して。なに、何隠してんの

あなた
な、何も隠してないよ

時透 無一郎
体育祭、走りたくないってこと…関係ある?

あなた
な、ないよ

あなた
だから、何も隠してなんか…

時透 無一郎
それとも小5とき、あなたの下の名前が虐められてたこと?

あなた
へ…………

あなた
な!なんで…!

あなた
…知ってんの…

時透 無一郎
何年見てきたと思ってんの

時透 無一郎
僕ずっと気づいてたよ

時透 無一郎
あなたの下の名前が帰り道に男子2人から集中的に虐められてたの

時透 無一郎
止められなくて悔しい思いした。僕

時透 無一郎
情けないって思った

時透 無一郎
何回もやめろって言ったんだ

時透 無一郎
でもやめてくれなかった

時透 無一郎
初めて、あなたの下の名前が虐められてるところ見た次の日あなたの下の名前は当たり前のように笑ってた

あなた
!

時透 無一郎
ずっと無理してたよね

時透 無一郎
小6のときアイツらとクラス離れたでしょ?

あなた
う、うん

時透 無一郎
僕が先生に言ったんだよ
確か、小6からずっとむいくんと登下校…してたっけ

時透 無一郎
ねぇ、話して。何があったの?他にも…多分あるんでしょ?

あなた
……っ

時透 無一郎
お願い

あなた
…目立ちたくて目立ってたわけじゃない……

時透 無一郎
うん

あなた
妬まれて、虐められちゃったんだ、私

あなた
だからもう目立つものからは離れたいの

あなた
リレーなんて、体育祭の目玉でしかない

あなた
中学校生活、平和に過ごしたいの、私は

あなた
また変に目立って妬まれて虐められたりしたらさぁ

あなた
全部嫌になっちゃいそうで…

時透 無一郎
……

あなた
それに、せっかく皆の親が見に来てるならその子の出番増やしてあげたいしさ?

時透 無一郎
それは、あなたの下の名前も同じじゃない?

あなた
私のお母さんとお父さんが来てる理由は

あなた
蓮を応援するためだけだよ

時透 無一郎
!?

あなた
私を応援しにきてるわけじゃない

時透 無一郎
え…

時透 無一郎
ちょ、ちょっと待ってどういうこと?

あなた
…本当は内緒っていう約束なんだけどね…

あなた
……

時透 無一郎
?

あなた
私と蓮、血が繋がった姉弟じゃないんだ〜…

時透 無一郎
…え?

あなた
まぁ、半分?は繋がってるんだけど

あなた
母親が同じで…まぁいわゆる…異父姉弟かな

あなた
私の本当のお父さんは私が産まれる前に死んじゃって

あなた
むいくんも見たことある、今のお父さんは蓮の実父

あなた
私の血の繋がった父じゃない

あなた
毎日のようにどこかで気を遣われてる感じが気持ち悪くて…

あなた
どこかで蓮を嫉妬してる自分が嫌になっt…
ギュッ…

あなた
!
むいくんは静かに抱きしめた

あなた
どーしたの〜?甘えん坊さんか〜?

時透 無一郎
…
むいくんは私の顔を見て話した

時透 無一郎
辛そうだから

あなた
!

時透 無一郎
今にもどこか行っちゃいけない遠くのところに行きそうだなぁ…って

あなた
…

時透 無一郎
……

あなた
……この14年が経って…

あなた
私は『愛』がなにかよくわかんなくなっちゃっただけ

時透 無一郎
ッ…

あなた
愛された記憶が、前世の記憶が、薄れてる…のかもね

あなた
それこそ、この世に私の存在は必要かって思うことだってある。世の中にはもっと大変な人がいてさ

あなた
…私は贅沢者だなぁ

時透 無一郎
…気づいてあげられなくて…ごめん

あなた
ううん、私は大丈夫だから

あなた
大…丈夫……だか…らッ…

時透 無一郎
僕は

時透 無一郎
嘘の大丈夫が聴きたくて謝ってるわけじゃない

あなた
!

あなた
ごめn……

時透 無一郎
謝らせたい訳でもない

あなた
!

時透 無一郎
ただ、君が頼れる相手になれなかったことに謝っているんだ…だから…

時透 無一郎
だから…頼ってよ

あなた
!

時透 無一郎
自分の気持ちは自分にしか分からないんだから…だから…話して?

時透 無一郎
辛いなら苦しいなら…

時透 無一郎
あなたの下の名前が壊れるなんて僕は耐えられない……!

時透 無一郎
『愛』を忘れたなら僕がまた君に『愛情』を零さないように注ぐ…!

あなた
ッ…!

時透 無一郎
だから、自分を嫌いにならないで

時透 無一郎
必要だよ?誰も君を必要としなくても僕が必要とする

時透 無一郎
…っていうか自分の存在の必要性とか…考えないでよ
そっと抱きしめてくれた温もりに耐えられなくて
抑えていた涙が出た

あなた
……ありがと……
きっと私の心はとっくに限界を迎えていたらしい

時透 無一郎
うん……
泣く私をむいくんはずっと背中をさすってくれた

時透 無一郎
落ち着いた?

あなた
…うん、ありがと、むいくん

時透 無一郎
よし!じゃあなにか晩御飯頼も!

あなた
うん!
その日、私たちは楽しく一日を終えた
それから数日
体育祭当日

あなた
……

あなた
ねぇ、お母さん、お父さん
お母さん
?
お母さん
どうしたの?
お父さん
?

あなた
…

時透 無一郎
『自分の気持ちは自分にしか分からないんだから』

あなた
その…今日の体育祭

あなた
私の出る競技……しっかり見てて欲しい…な
お母さん
!

あなた
……
お母さん
…お母さん、あなたの下の名前の優しさに甘えてたわ
お母さん
ごめんねぇ、今まで蓮ばっかりだったもんねぇ
お母さんがそっと抱きしめた

あなた
!
お父さん
大丈夫、しっかり見ておくよ

あなた
…うん!
宝生 蓮
んー?何の話してんの〜?
ピンポーン

あなた
あ、行ってくる!
お母さん
行ってらっしゃーい
ガチャン
宝生 蓮
ねぇ、何の話?
お母さん
あなたの下の名前が甘えてくれたって話 ニコ

時透 無一郎
どう?言えた?

あなた
うん!バッチリ! ニコ

時透 無一郎
なら良かったよ
いいねして作者を応援しましょう!
第42話 恋蛍
「時透 無一郎」との夢小説、ココにあります
ノベルスタジオならストーリーは無限大!
あなただけの夢小説に出会える!
スポットライトでみんなに広めよう!
累計4回当てられています! (匿名を含む)
web版でスポットライトを当てる
web版は動画を3回見ると
スポットライトを1回当てられます!
0/3
スポットライトを当てるだけ!
小説をたくさんの読者に届ける方法とは?
keyboard_arrow_down
スポットライトを当てるだけ!
小説をたくさんの読者に届ける方法とは?
「スポットライト機能」は好きな小説をたくさんの読者に広めたり、作家に応援の気持ちを伝えられる機能です!
- 1
小説にスポットライトを当てる
「小説にスポットライトを当てる」ボタンを押そう!
あなたの好きな小説や、自分が書いた小説にもスポットライトを当てられます。
- 60分につき3回までスポットライトを当てることができます。
- 「名前をひみつにする」にチェックを入れて当てると、スポットライトユーザー一覧に名前が掲載されません。
- 2
スポットライト小説枠に掲載される
スポットライトを当てた小説は、以下の場所にあるスポットライト小説枠に掲載されます!
- 検索ポータルページ
- 小説詳細ページ下部
- チャプターページ下部

- スポットライト小説枠に掲載される小説は、ユーザーごとの好みに合わせて表示されます。
- 3
たくさんの人に読んでもらえる
好きな小説や自分が書いた小説にスポットライトを当てて、たくさんの人に読んでもらおう。
応援の気持ちを伝える手段としても使えます!
スポットライトユーザーランキング
関連するスポットライト小説
- 恋愛

ツ ン し か 出 さ な い 水 柱 様 、 私 の 前 だ け で は デ レ る よ う で 。
lock フォロワー限定favorite 6,229grade 1,931update 2025/10/24 - ノート

日常
lock フォロワー限定favorite 20grade 17update 2025/09/27 - コメディ

風柱の守護霊が頼りなさすぎる件
「 私に任せ . . . ごめんやっぱ無理!! 」
favorite 408grade 638update 2025/08/20 - ミステリー

蝶のようなあの子、ヒーローを目指すらしい
「こんばんわ、今日は月が綺麗ですね」 素敵な本家様https://novel.prcm.jp/novel/B6K57cN1XnHr1TPRsTPt
favorite 1,605grade 564update 2025/12/12
コンテスト受賞作品
もっと見るmeiyoオーディオドラマ&主題歌 原案コラボコンテスト





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。