第53話

side Y - 2度目の告白 -
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2020/08/23 00:50
your side
廉と2人で何度か話し合ったんだけど、俺らは、あなたはきっと、どっちも選ばないんじゃないかって。仕事も辞めるだろうって予想した。
それで、想像してみようとした。みなやんのいない世界。でも俺らにはできんかった。みなやんのいない世界なんて何の意味もない。
独占欲とか色々あるけど、そこは俺らが大人にならなきゃいけないって思って。

あなた、さっきも言ったけど、あなたにとってはまだ俺らは少年で。

きっと1人じゃあなたを満足させることも、守ることもできない。
やけど、2人の力を合わせたらみなやんのことを支えられるんちゃうかって。
みなやんがいなくなるくらいなら俺らはずっと3人編成でいきたい。
え!?

なにそれ!?

マジか?

最近の若い子、考えること怖っ!

編成ってw、、、グループか!


と、つっこみどころがたくさんあるが、まぁ何が言いたいかは分かったし、彼らの予想は間違っていたわけではなかった。
あなた
うん、2人の予想通り。私はどっちも選ぶ気なんかなかったよ。仕事も辞めるつもりで退職願も書いた。受け取ってはもらえなかったけど。
ねぇ、どうにか考えてもらえないかな?
俺ら、本当にみなやんのことを大好きやし、大事に思ってる。みなやんのいない生活なんて考えられへん。
それにあなたもきっと俺と廉、両方欲しかったんだろ?どちらか片方じゃ意味ないって思ってたんじゃない?

マネージャーとタレントの関係がご法度だって言うのは建前だよね。
図星。ちょっと大人になったな、平野さん。
あなた
少年に図星を指されるなんて、ちょっとびっくり。その通りだよ。

私、身体で平野さんに恋をして、心で永瀬さんに恋をした。どっちの恋も本物だけど、どちらか片方じゃ満たされない。
そうだと思った。
平野さんが得意げに微笑む。
あなた
嬉しいよ。2人の気持ちは。でも、本当にやっていける?
大丈夫。覚悟は決まってる。
俺も。
あなた
マネージャーとタレントがいい仲なんて、絶対バレたらいけないんだよ?分かってる?
大丈夫。今回はうまくやれる自信がある
俺らも成長してるからね〜
あなた
分かった。本当に本当だね?後になって弱音はナシだよ?後には戻れないんだよ?
うん。分かってる。
うん。そんな、凶悪犯罪犯すみたいじゃん
あなた
私にとっては凶悪犯罪だよ。少年2人をたぶらかして一緒に暮らすなんて。
完全犯罪になるよう日々努力します
だなw
後になって分かったことだが、2人は既にこの時点で引越し済みで、それがバレないように自分たちの部屋に荷物を詰め込んでいたらしい。


リビングにテレビしかなかったのは、家具的な物は多分意識の高い私のことだから自分で選びたいだろうと思って何も買わなかったんだそう(永瀬さんアイディア)。グッジョブ永瀬さん。


間取りは4LDK。それぞれの部屋があり、一番大きい部屋は3人の靴や服などを入れるクローゼットにした。


この先どうなるかもわからないし、男の子2人と同棲するという一夫多妻ならぬ一妻多夫の状況に少しばかりの罪悪感と背徳感に苛まれたが、大きいキッチンにつられて承諾してしまったことはここだけの話(単純)。

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