第2話

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2026/02/11 12:00 更新
ある日、16歳の花屋の少年、スンミンは1人花の配達に行っていた。
生憎運転免許なんて便利なものは勿論ないため自転車で近所の教会に届けに行ったのだ。



帰り道、耳につけた有線イヤホンからは最近世間を騒がせているジョーカーについてのラジオが流れている。
どうやら人を殺して感染させる悪魔らしい。

くだらない、とイヤホンをポッケに仕舞い込んでコンビニでコーヒーを一つ。
カップに口をつけると温かい苦味が体に広がって朝早くの配達で酷使した体が癒された気がした。
スンミン
もう、何で僕が…。配達はしない主義なのに。
そうぶつくさと愚痴ってると不意に背後から悪寒がして振り返ると、次の瞬間には意識が飛んでしまった。





















LK side
リノ
ん?
バンチャン
どうした?リノ。
リノ
いや、あれ近所の花屋のじゃね?
アレ、とリノが指を差した方には確かにいつも花屋の前に停めてある自転車そっくりだった。

近づいてみるとやはりあの花屋の自転車だった。
が、この自転車の持ち主である花屋の少年が見当たらない。何かあったのか?とリノが首を傾げていると
バンチャン
リノ、これ見て。
リノ
ん?コンビニのコーヒー?これがどうした?
バンチャン
まだあったかい。もしかしたらついさっき何かあったのかも。
リノ
なわけ…
そんな訳ない、そう否定しかけた言葉は最後まで発することはできなかった。
何故なら、近くでジョーカー元凶と凄まじい魔力を感じ取ったから。
バンチャン
行こう
リノ
了解
リノとバンチャンは路地裏の細い道を全力で走り抜け今は使われていない廃工場の扉を思いっきり開けるとそこにはジョーカーを殺しにかかりそうな勢いの花屋の少年がいた。
バンチャン
これは…。
目の前の光景がにわかには信じられない。
ジョーカーは一般人なんて簡単に殺せる。なのに、ジョーカーは死にかけていて少年から溢れんばかりの魔力量が場を掌握している。

少年はジョーカーに向かって歩き出すとジョーカーは慌てて起き上がって炎を繰り出す。
リノがまずい、と思ったそのとき予想外の革命が起きた。

スンミン
感情のない顔でジョーカーに軽く触れただけなのに炎は切り裂かれ、そしてジョーカーの肉体に亀裂が入りその直後に血が噴き出て肉体が耐えきれずに消えた。

少年は特に何も無かったかのように手で頬についた返り血を拭った。
その光景が酷く恐ろしくてリノもバンチャンも足が動かなかった。

そして、ふっとその恐ろしい気配が消えた、と思うと少年がその場に倒れてしまった。
もしかしたらジョーカーに…なんて心配したけどジョーカーの魂は感じなかったしひとまずは安心だ。
バンチャン
取り敢えず今は一旦この子を休ませよう。
ジョーカーに襲われて混乱しているはずだから。
リノもその案に賛成してバンチャンが少年を、リノが自転車を引っ張りながら花屋に戻った。


そして、少年が起きるまでリノはバンチャンと2人で上に報告をしていた。
バンチャン
この子は一体何なんだろうね。
リノ
さぁ。ま、フツーの人間じゃないのは確かだろ。
そんな得体の知れない少年が目を覚したのは店に少年がやってきた時だった。

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