第19話

15th
617
2025/03/02 12:55 更新
⚠弱り要素あります









華澄(なまえ)
華澄あなた
……寝てる…
 目の前にはすぅすぅと寝息を立てる伊作の姿があ
 った 。

 良かった…生きてる……



 目尻には涙の後があり 、泣き疲れたのだろう…
華澄(なまえ)
華澄あなた
……
 鎮痛剤が効いているのか 、忍びに似合わない無防
 備な寝顔をしている 。
華澄(なまえ)
華澄あなた
(こんな顔で寝る忍があんな酷いことを企むかな……)









華澄(なまえ)
華澄あなた
……
 何か魔が差したのか、私の指は先輩の頬を突いて
 いた 。

 反応は無く、頬を優しくつまんだり、押したり…

 先輩だからと躊躇していたのか、こんなこと、一
 度もしたことがない…







 途方もなく遠くに居た先輩が、すぐ近くにいる。

 正直、何か不思議な感じだった。





華澄(なまえ)
華澄あなた
…この時間が続けばいいのに…











善法寺 伊作
善法寺 伊作
……あなた…?
 眠そうな、ほとんど息で消えてしまいそうな声が
 聞こえた。
華澄(なまえ)
華澄あなた
ッ?!……
 慌てて頬に当ててた指を引っ込めて 、恥ずかしさ
 のあまりに医務室を出ていこうとする 。
善法寺 伊作
善法寺 伊作
ま、…まって……
 伊作は起き上がり 、あなたを止める。

 でも、いきなり大きな声を出したせいか 、伊作は
 咳き込んでしまう 。
華澄(なまえ)
華澄あなた
……
 その弱々しい姿に居ても立っても居られなくな
 り 、開けた障子を閉めて 、伊作の背中をさす 
 る 。
善法寺 伊作
善法寺 伊作
……ッすまない…
善法寺 伊作
善法寺 伊作
こんなこと……したくなかった、
善法寺 伊作
善法寺 伊作
でも…裏切ったら…学園も、僕の命も……どっちも失ってしまう気がして……
善法寺 伊作
善法寺 伊作
火薬を全部消して……学園に、火薬の在庫がない…って示そう、と……
華澄(なまえ)
華澄あなた
……ッ
 あなたは伊作に抱きつく 。

 1秒でも 、先輩が酷い人間に 、怖い人間に変わっ
 たと思ってしまった自分が許せない 。

 こんな心の底から温かい人を傷つけた自分も 、城
 も 、世の中も許せない 。
華澄(なまえ)
華澄あなた
伊作先輩は悪くないですよ…
華澄(なまえ)
華澄あなた
何一つ……










 『こんなこと…したくなかった』

 そんな事言ったって 、散々学園も忍たま達もあなた
 も傷つけたんだ 。

 許してもらおうなんて 、思ってない 。

 そんな気持ちと裏腹に言葉は溢れ出る 。

 頭の中は罪悪感と責任で罪を償いたい気持ちでい
 っぱいなのに…

 なぜ逃げる言葉ばかり出てくるの…?

 



 まるで脳と言葉が他人のように分かれた感覚に混
 乱していると 、あなたが抱きついてきた 。
 『伊作先輩は悪くないですよ』

 『何一つ……』


 どう頑張っても嘘には聞こえない真っ直ぐな言
 葉 。














善法寺 伊作
善法寺 伊作
ッ……
華澄(なまえ)
華澄あなた
……伊作先輩…?
 急に伊作が強く抱きしめ返してきたことに驚く。
善法寺 伊作
善法寺 伊作
……鎮痛剤…切れ、たッ…
華澄(なまえ)
華澄あなた
今ですか?!
 相変わらずの不運に 、何故か笑えてくる 。

 こういう弱い所を見せてくれる所が伊作先輩の真
 の強さだから…

 悪い仮面が消えたような気がした 。
善法寺 伊作
善法寺 伊作
ッ……うっ…はぁ……
 身動きも取れないから 、鎮痛剤を取りに行けない
 し 、正直どこにあるか分からない

 





 
仮面を付けるのには苦しみが伴う 。

    でもそれ以上に外す苦しみは途轍もない 。






華澄(なまえ)
華澄あなた
(ここでは…心の痛みではなく体の痛みになっちゃったけど…)
華澄(なまえ)
華澄あなた
…横になった方が楽ですか…?
善法寺 伊作
善法寺 伊作
ッ……離さないで……
 ……正直力が強くて痛いんだけどなぁ…










しばらくすると 、新野先生が医務室に戻ってきた
新野先生
……おや、お取り込み中でしたか…
華澄(なまえ)
華澄あなた
いや 、そんなことしてないです!!
華澄(なまえ)
華澄あなた
伊作先輩、鎮痛剤が切れたみたいで…
華澄(なまえ)
華澄あなた
動けない状態で…
新野先生
そうでしたか、すぐに用意しましょうね
つづく








そろそろ終わる気配がするような感じがします(?)

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