第2話

王子様
59
2020/02/05 13:42 更新



私は花咲高校の二年生。
名前は【 畑里 陽はたりよう 】。


陽
ふぁ〜....眠い



花咲高校は女子高。

女子高は、人間関係が〜うんたら〜というが、
別にそんなことはないし、
皆相談に乗ってくれるいい人ばかり。


りのん
りのん
よ〜うっ!
陽
わっ!
はわ、りのんか...



この子は【 濱野 りのんはまの 】。
私の友達。
すごく面白くて、可愛くて。

共学の学校だったらとにかくモテるタイプ。


りのん
りのん
えっへへ、びっくりしたぁ?



あ〜も、可愛い。
私が男だったら付き合いたい。

襲いt


陽
びっくりした...
ほ〜んと、話しかけてくる度に
驚かせてくるのやめてよ〜!
りのん
りのん
じゃあ慣れればい〜じゃん!
陽
意味分かんない!



爆笑した。


女子たち
女子たち
キャ〜!!!



え、え!?


陽
な、何...?
りのん
りのん
あ〜、これは王子様だね。
陽
また?お、王子様...?って、
最近よく聞くけど、何なのそれ?
りのん
りのん
ほんと疎いよね、陽。
ほんと、疎すぎる。
陽
は、はぁ...?
りのん
りのん
王子様ってのは、
最近引っ越してきた三年生の人。
すっごくイケメンで優しいんだよ!
陽
へぇ...でも、ここ女子高だよ?
王子様だなんてそんな...
りのん
りのん
それが...
性別は女の人らしいの。
陽
え...?



今まで、「性同一性障がい」とか、
耳にしたことはあるけど、
よく知らなかった。

だから、あまり慣れない言葉だった。


女子たち
女子たち
キャー!こっち来たよ!
陽
うわ、騒ぎが大きくなってる...



女子たちは廊下で、
私たちは中の教室にいた。

あまり外の様子とか分かんないんだけど...


りのん
りのん
これは...やばいね。
陽
え?
りのん
りのん
皆が集まる理由はただ一つ...
りのん
りのん
「王子様から挨拶をしてもらう」こと。
陽
はぁ...



呆れた。








(ザワザワ...)


話し声が大きくなってきた。


女子たち
女子たち
先輩おはようございます!
京
おはよう。



男らしくも、
女らしくもない、
不思議でいて、落ち着く声が聴こえた。

すると同時に___





女子たち
女子たち
キャアアアァァァ〜〜〜!!!!!!
陽
うわぁ...
りのん
りのん
はぁ〜っ、やっぱり凄い人気だね。
陽
え、りのんも好きなの?
りのん
りのん
私?もっちろん!
かっこいいも〜ん♪
陽
行かなくていいの?あっち。
りのん
りのん
いいの!だって、先輩ね...



りのんが体を寄せてきた。
同時に、耳に近づいてこう言った。


りのん
りのん
最近私、先輩に気にいられてるの。
陽
...はぁ。
りのん
りのん
え、えぇ〜〜〜!?
反応薄いよ!
陽
いや...あんまり衝撃ではないかな...
ファンじゃないし...
りのん
りのん
それはともかく。
最近ね〜よく話しかけてくれるの!
絶対気にいられてるんだよ〜♪
陽
よ、よかったじゃん...
りのん
りのん
ま、陽もそのうち分かるよ!
陽
あ〜、ないない。
りのん
りのん
嘘だぁ〜!



私にとって興味のない「イケメン」とか、
「恋愛」とか「青春」とか。

確かに恋はしたいし、
青春だってしたい。

でも、女子高だから求めてはない。
部活の青春だけでいいんだ。

それに、恋に年齢は関係ないから、
大学に進んだ後でも恋愛はできる。


___そういうことを考えるから、
男が寄ってこないというりのんの意見も、
一理あるかもしれない。

でも、如何せん興味がない。








...いや、なかった。





その「王子様」とやらに出逢うまでは。





[ 続く... ]


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