私達が家を出て、学校へ向かっていると…
一日の始まりはこれだと言っても過言ではない。
お姉ちゃんと弦のモテモテタイム到来だ。
やっぱり、この二人ってモテるな~…
あんたら二人が目立つからに決まってるでしょ!
でも、本人達にそれは言えない。
その時。
後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。
この声は…!
彼女は、海山遥香。
天然で面白い、私の親友だ。
あれ?遥香ちゃんとお姉さん、なんか仲良くない?と思ったそこのあなた。
良いところに気づいてくれた。
そう、遥香とお姉ちゃんは、同じバドミントン部所属なのだ。
ちなみに弦はバレー部で、私はそのマネージャーをしている。
ん?この声は…
この見た目がすごくチャラい男子は、冨島大和。
私のクライメイトで、男友達でもある。
ちなみに、大和もバレー部だ。
エースは弦だけどね。
てか、このメンツ、全員揃うとやばい。
遥香も可愛いし、大和だって、可愛い系イケメンの類に入る。
私はみんなの引き立て役に過ぎない。
遥香と大和が私を引きずっていく。
二人とも、まじでナイス!
正直あの二人に囲まれて歩くのは、ただただ憂鬱なだけなので、出来れば居たくなかった。
それに…あの二人は恋人同士だ。
私がいない方が、ラブラブ出来るに決まってる。
遥香と大和が私の頭を撫でてくれる。
あんなに良い姉と幼馴染みをもって。
それに、こんなに優しい友達をもって。
今、こうして笑っていられるのは、この4人のおかげだ。
私は、みんなの優しさを強く噛みしめた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。