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乾は、たぶん人の心が読めるんだと思う。
いや、正確には違う。
読むというよりも“察する”能力が異様に高いのかもしれない。
そんなくだらない事を、ぼんやり考えてしまっている。
大学近くのカフェ。
レポートを広げたまま固まっていた私に、向かいの席の乾がストローを咥えながら言った。
私の返答を遮るように言う。
しかも、ちょっと笑ってやがる。
テンポよく質問攻めされ、思わずむっとする。
しかも人間関係で悩んでいることを見抜かれ、余計に悔しかった。
乾はそう言ってカフェラテを飲む。
グラスの縁に氷が触れ、カランと澄んだ音が鳴る。
全て見透かしたような眼で私を見つめる乾。
いつも飄々としている癖に、変なところで他人のことをよく見ている。
自分から変なことを口走った癖に、乾のあまりにもあっさりした返答に変な声が出た。
私の上をいく素っ頓狂な言葉に首を傾げていると、乾は何食わぬ顔でテーブルに頬杖をついた。
その一言で、一瞬空気が少しだけ変わった気がした。
店内には洋楽が流れ、周りの席から話し声もするのに、空間か切り取られたような、そんな不思議な感覚。
私がポカンとした顔で反応に困っていると、乾は少し笑いながら話し始める。
どこから仕入れてきたんだと感心する程の正確な情報。
私は驚きつつも頷いた。
淡々と喋っているのに、一つ一つの言葉の威力が凄い。
心臓をずっと何かに掴まれている気分。
自惚れじゃなければ、きっとそういう事。
だけどもし間違ってた時、勘違いもいいところ。
どうしよう、どうしよう。
なんて言えば正解なんだと、自問自答していると
私の顔を指差して、へらっと笑う乾。
じわりと熱が広がって、耳の先まで火照っていく。
今の私は、見なくても分かるくらい赤くなっている。
何か言おうとしても上手く声にならず、ただ小さく頷く事しか出来なかった。
▫️あとがき▫️
色々と忙しすぎて全然小説書けてなかったので、リハビリのつもりで書きました。
M!LKの『テレパシー』かわいい曲で好きです。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。