あれから、10年の月日が流れた。
ラギ兄は去年、名門魔法士養成学校・NRCに入学した。
私はラギ兄の代わりにバイトなどをするようになり、合間には近所の子どもたちと遊んだりもしていた。
この間申し込んだバイトの合否通知かな?
───なんて思っていた、けれど。
見覚えのある、黒い封筒。
丁度去年、同じように届いていた人を、私は知っている。
見間違えじゃない。でも、間違っても私に来るはずがない物だ。
だって、これは───
どういう事……?
確かに、私にも魔力はある。
けど、あそこは男子校のはずなのに……。
そして、ホリデーに入り、ラギ兄が帰ってきた。
その日の、夜。
私は寝付けずに、夜風に当たって星を眺めていた。
あの後。
困惑する私に、ラギ兄は、
『学園長は、シオンの意思で決めていいと言っていた』
と伝えた。
──気づいて、しまった。
女だからとか、おばあちゃんを1人にしたくないだとか、色々理由をあげていたけれど。
本当は、
私を受け入れてくれたみんなから、──おばあちゃんから離れるのが、怖いんだ。
そう言っておばあちゃんは、シシッといたずらっぽく笑った。
おばあちゃんの言葉を聞いて、少しづつ気持ちがまとまってきた気がする。
私…………やってみても、いいのかも。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。